まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

本年４月下旬、シェムリアップ州警察に対して日本の交番制度や鑑識技術を紹介するセミナーが行われました。このセミナーは、州警察本部長の要請を受け、元国連カンボジア暫定機構（UNTAC）文民警察官の櫻井誠氏が企画・実施したものです。本年は、同じ文民警察官であった高田晴行警視の任務中の殉職から三十三回忌を迎えます。セミナーを通じ、高田警視の遺志を継ぎ、当時と同様に日本の警察の在り方をカンボジアの警察に伝えることができました。
バコン郡警察署、シェムリアップ市警察署、州警察本部の３ヶ所で行われたセミナーには、それぞれ30～40名の警察官が参加しました。初めに日本の警察の活動紹介動画を視聴し、交番を中心とした警察業務について説明した後、元愛知県警の鈴木亨尚氏が指紋や足跡採取技術の実技指導を行いました。
カンボジア側参加者からは、地域住民に寄り添う交番の様子や初動鑑識による証拠保全の取組について理解が深まったとの声が寄せられました。UNTAC当時に遡る日本の警察支援をカンボジア側に印象づける良い機会となりました。

在シェムリアップ日本国領事事務所 所長 米澤 篤