まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

国内サッカーシーズンが大詰めをむかえるなか、先日4/28にHun Sen Cup（フンセンカップ）の決勝がNational Olympic Stadiumで開催されました。Hun Sen Cupとは、カンボジア国内ではリーグ戦にならぶ大きな大会。2007年から実施され、カンボジア全土からチームが参加して優勝を目指し何カ月もかけて進行していくという、日本でいうところの天皇杯のような大会。大会名は元首相名に由来。そしてこの大会に優勝すると、Cambodian Super Cupというリーグ戦チャンピオンと対戦するカップ戦への出場件も獲得できます。

今年のHun Sen Cup、栄えある決勝にたどり着いた2チームはPreah Khan Reach Svay Rieng FC（スバイリエン）とPhnom Penh Crown FC（PPC）。スバリエンはHun Sen Cupで過去最多の4回優勝を。PPCは今年のAFC国際大会で好調な結果を。もちろん両チームともに現在進行中（執筆時点）のリーグでトップ4によるプレーオフリーグに残っている強豪。否応なしに注目の集まるこのカードに、メインスタンドの席は試合数日前に既に完売。当日会場のOlympic Stadiumはキックオフ前から集まった観客により徐々にボルテージが上がっていきます。その観客、なんと集まった数が29,769人。国内クラブチームによる対戦でこれだけのサポーターがスタジアムに集まるのは異例のこと。試合も白熱した展開となり両者を身体をはってともに譲らず。ナイトゲームとはいえ30℃を超える熱帯夜のなか選手の疲労は激しくプレー続行が難しくなる選手も。そして試合は延長戦、PPCの守備の一瞬の隙を見事についたスバイリエンFCがフォワードにパスをつなげ、値千金のゴール。これが決勝ゴールとなり試合結果1－0でスバイリエンFCがトロフィーを掲げました。

大いに盛り上がったカップ戦。こうなってくると見ものは最後のタイトルとなるリーグ戦の行方となります。トップ4のプレーオフトーナメントに出場するチームは、Preah Khan Reach Svay Rieng FC、Phnom Penh Crown FC、Visakha FC、Boeung Ket FC。たくさんの日本人選手達も所属するこの全4チームのプライドをかけた戦いは、5月4日から始まり5月12日に最終幕を迎えます。シーズンをしめくくる試合、全選手達の健闘に期待したいと思います！

寄稿：斉藤 泰一郎