まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

カンボジア国立銀行（NBC）は8月19日、旅行者向けバコン決済アプリ『Bakong Tourists』ソフトローンチを正式発表しました。
今後のアプリ普及を通じて、カンボジア国内銀行口座を持たない外国人旅行者にもKHQRキャッシュレス決済の促進が期待されています。

私もさっそくアプリをインストールして試してみました。その際の印象や気になったところを簡単にですがご紹介します。2024年8月時点での内容となりますので、みなさまが本記事をご覧のころにはさらに機能が拡充されているかもしれません。ご了承ください。

【良い点・便利な点・興味深い点】
•メールアドレス登録だけで、外国人旅行者としての「バコンID@tour」を簡単に取得できます。SMS（電話番号）認証は不要です。

•アプリ画面構成は非常にシンプルでわかりやすいです。日本語表示にも対応しています。無料で気軽にお試しいただけます。

•ユーザー登録後にはKHQR読み取りによる支払い（越境QR決済を含む）、支払受取用のKHQR生成ともにすぐに使用できます。

•初期決済上限は「1日あたり500米ドル（200万リエル）まで」と制限されていますが、アプリ操作を通じて個人情報登録をアップグレー
ドすると、より大きな金額の決済も可能になります。

【今後の改善が期待される点】

•2024年8月現在、カード入金はサポートされていません。
新規バコンIDからの決済を開始するには、カンボジア到着後の窓口での現金入金または既存の銀行口座からの入金が必要となります。

開始されたばかりの旅行者向けバコン決済アプリですが、オンラインカード決済での入金や、他国からの越境決済による入金も、今後のサポートが期待されています。機能拡充に伴っての利用者の増加も見込まれます。

さらに8月29日には、カンボジア～韓国間の越境QR決済の正式開始も発表されました。カンボジアを中心とした越境決済ネットワークの拡大は、カンボジアの今後の発展にとって重要なトピックのひとつとして注目されています。

小菅 義之