ホーム 新マガジン記事 JICAカンボジアリレー: 【JICAカンボジアリレー】インフラ協力の歩み

カンボジアクロマーマガジンREP12号

皆様、こんにちは。JICAカンボジア事務所、インフラ・民間連携班長の泉と申します。今回のJICAカンボジアリレーでは、「インフラ」を中心にご紹介したいと思います。

カンボジアは、1970年代に始まる内戦の影響で、道路、港湾、鉄道などのインフラが荒廃し、1990年代に和平が成立した後は、その復興から国づくりがスタートしました。

プノンペンから北東州にアクセスする起点となる「チュルイ・チョンバ―橋」は、和平成立直後に日本の協力により修復がなされ、当時のシハヌーク国王により「日本カンボジア友好橋」と命名されました。2000年代には「きずな橋」、2010年代には「つばさ橋」が整備され、これら2つの橋梁が現在も日章旗とともに500リエル紙幣に描かれていることをご存じの方は多いと思います。日本はインフラ整備を含む様々な協力を通して、カンボジアの国際社会への復帰や経済発展の、まさに「架け橋」として、大きな役割を担ってきたものと理解しています。

今年開通10周年を迎える「つばさ橋」 (出典:筆者)

和平成立から約30年。近年のカンボジアは次のステージに進んでいます。国内外の連結性(つながり)を一層強化し、より高度なインフラを整備することが求められています。その中で、JICAもインフラ分野の協力を進めています。

例えば、メコン地域の産業大動脈としての機能が期待される国道5号線の改修や、カンボジアで唯一の深海港であるシハヌークビル港の拡張のほか、物流・通関の改善、首都圏での都市交通や送配電網の強化などを通じ、経済成長を支える基盤づくりに協力しています。

カンボジア唯一の深海港「シハヌークビル港」で視察した際の一枚 筆者一番左 (出典:シハヌークビル港湾公社)

カンボジア政府は今、ODA(政府開発援助)のみならず、日本企業による投資にも大きな期待を寄せています。JICAも、ビジネス環境の基盤となるインフラ構築や人材育成などを通じて、そうした展望を後押ししています。

JICAの仕事は、すぐに目に見える成果が出るものばかりではありません。特にインフラ整備には10年単位で時間を要することもあります。国を支える人材育成にも腰を据えた協力が必要です。
しかし、長期的な視点で見ると、ひとつひとつのプロジェクトがカンボジアの未来を支える大きな礎になっていきます。そしてその裏には、人と人のつながりの無数の物語があります。

これからも、JICAは日本・カンボジア両国の方々の「架け橋」として、より良い未来を築くための取り組みを続けていきます。私自身も、その一員として微力ながら貢献していきたいと思います。次回のコラムもどうぞお楽しみに!

JICAカンボジア事務所 インフラ ・ 民間連携班
泉 貴広

 

独立行政法人国際協力機構(ジャイカ) カンボジア事務所

ジャイカは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、

開発途上国への国際協力を行っています。

Web: https://www.jica.go.jp/cambodia/index.html

Facebook: JICACambodia


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