カンボジアクロマーマガジンREP9号
こんにちは。アンコール共生病院医師の加藤です。今日は子供の視力検査についてお話したいと思います。
日本の皆さんは学生時代、毎年の健康診断で視力検査を受けていたのではないでしょうか。一方、カンボジアでは学校での定期検診は一切ありません。眼の病気の中には、治療のタイムリミットがある病気があります。小児で重要なのは、早く見つければ治療できるのに、8歳を過ぎると二度と視力が改善しない「弱視」と言われる症状です。この病気を早期に見つけるには、自覚症状がなくとも定期的な視力検査を受けることが不可欠なのです。
私達は現地の小学校や孤児院で視力検査・眼科検診の活動を行っていますが、シェムリアップ州には星の数ほどの小学校があり、自分たちの足で回るのは限界があります。活動内のアンケート調査で、ほとんどの学生が視力検査を一度も受けたことがないことがわかりました。そこで当院と日本のロート製薬とで連携し、スマートフォンで簡易的に視力検査ができる「AImirun(アイミルン)」アプリをクメール語でリリースすることができました。
眼科も眼鏡屋もない田舎方面であっても、スマホの普及率は100%以上と非常に高いです。このアプリを広めることができればカンボジア中で、子供達に広く視力検査の機会を提供することができますし、それは弱視で視力を失う子供を減らす結果につながると考えています。さらに、カンボジアでアプリによる視力検診を普及させることができれば、アプリを翻訳することで、世界中の発展途上国に視力検査を広げられる可能性があります。アプリはもちろん日本語版もありますので、最近視力検査を受けていない方は試してみてください。
加藤寛彬
- 小学校での検診活動の様子1
- 小学校での検診活動の様子2
アンコール共生病院 Angkor Japan Friendship International Hospital
総合・専門診療科、予防接種、健康診断に対応。
日本人医師と日本語が話せるスタッフが駐在している。
24時間365日(救急) 電話番号:076-677-7879
Web:https://ajfih.org/ Facebook:ajfih
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