まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

こんにちは！サンライズジャパン病院の岩井です。前回に引き続き、食習慣・生活と健康にまつわるエピソードをお届けします。前回の高血圧に続き、今回は糖尿病のお話です。
普段カンボジア人のスタッフや患者様と接していると、日本人や他の国の人と比べて食べることをとても大事なことだと考えているのだと感じることがあります。昼前後に廊下で現地スタッフとすれ違うと必ず、ニャムバーイ?（ご飯食べた？）と聞かれます。午後１番の診察では患者さんも、先生ちゃんと昼ごはん食べたの？と気遣ってくださいます。
子供が体調不良で食事が取れなくなった時の心配具合も、日本人よりも強い印象です。

自分の祖父もよく、人間食い力（くいりき）、食べる力は生きる力、とよく言っていましたが、カンボジアの方はよりその思いが強いのかもしれませんね。ですが、糖尿病をお持ちの方の場合は食べる量、特に炭水化物の量には注意が必要です。こんな患者さんに先日出会いました。
70代のカンボジア人男性の方です。糖尿病の治療で私の外来に通っていただいています。その日の血液検査では血糖値が前回より悪くなっていました。どうしたのかな、と思い色々と探ってみました。

「熱が出たり何か体調を崩されたりしていましたか？」
「いえ、特に変わらず元気でしたよ」
「薬の飲み忘れはなかったですか？」
「いやー、毎日欠かさず飲んでますよ先生、任せてください」
なかなか手がかりがつかめません。
「何か食生活に変化ありました？」
「いやー糖尿病になってから体重が減ってやつれた気がして、最近ご飯を毎回おかわりするようにしてるんですよ」
「おお…」

炭水化物はエネルギーの源で、美味しいものが多いですよね。食べ過ぎにはご注意ください。それではまた次回！

岩井 謙治