ホーム 新マガジン記事 医療コラム: 【医療コラム】見える未来へ:カンボジアの眼科支援

カンボジアクロマーマガジンREP13号

 

 

こんにちは。アンコール共生病院医師の加藤です。

今回、Asia-Pacific Ophthalmology Congress(アジア太平洋眼科学会) in Hong Kongに参加し、シェムリアップ州における児童の眼科検診普及活動について報告してきました。

アンコール共生病院の眼科として、普段からシェムリアップ州内の小学校や孤児院を回って、視力検査や眼科検診を提供するボランティア活動を行っています。これは子供達の毎年の眼科検診の文化がないカンボジアで、視力不良の児童をなるべく早く見つけることを目的にしています。

日本では、3歳時検診に始まり、就学前・就学時検診、小学校での毎年の検診と、全ての子供達が定期的に視力検査を行うシステムができています。視力不良を早めに発見して、特に「弱視」と言われる病気を見つけるためです。

弱視は、強い遠視や乱視が原因になって、脳が物を見ることをサボり始めてしまう症状で、英語ではLazy eyeと言われます。早く発見されれば眼鏡をかけるだけで治療できるものの、8歳を超えてから発見された場合には治療法がなく、一生視力が0.1以下になってしまうこともあります。早く発見すれば治療ができる、「予防できる失明」なのです。

眼科医師や検査員数が不足しているカンボジアでは、実際に弱視で視力を永久的に落としてしまう子供が多くいます。

私たちも可能な限り児童を検査して回ったものの、回れる小学校や孤児院の数にはどうしても限界があったので、日本のロート製薬と提携して視力測定ができるスマホアプリをクメール語でリリースすることにしました。これがシェムリアップで広まれば、どれだけ田舎の学校でもスマホひとつで視力検査の機会を提供することができます。

「デジタルデバイスの使用で、多くの児童の永久的な視力低下を防ぐことが可能になる」というのが、今回の報告の内容です。これをシェムリアップから全世界へ発信していくことで、他の発展途上国でも同様の取り組みによって児童の視力低下を防げるのではないかと考えています。ではまた!

加藤寛彬

 

アンコール共生病院 Angkor Japan Friendship International Hospital

総合・専門診療科、予防接種、健康診断に対応。
日本人医師と日本語が話せるスタッフが駐在している。

24時間365日(救急) 電話番号:076-677-7879
Web:https://ajfih.org/ Facebook:ajfih

 


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