ホーム 新マガジン記事 JICAカンボジアリレー: 【JICAカンボジアリレー】地雷・不発弾除去のおはなし

カンボジアクロマーマガジンPP7号

日本の真夏に畑や田んぼの畦道の草刈りをされたことがおありでしょうか。
草刈り機で除草作業をしていると、30分も経つと汗が吹き出し、休み休み水分補給しながらでないと熱中症になりかねない大変な作業です。約1,970㎢に及ぶ土地が地雷や不発弾に汚染されていると言われているカンボジア。それらの地雷や不発弾の多くは、生い茂る草や灌木に覆われた地面の中に埋まっています。地雷や不発弾の探知や除去をする前に、こういった茂みなどが多い場所では、まずは除草作業が必要です。灼熱の地雷原、、、そして、もしかするとそこには地雷が埋まっているかもしれません。そういった状況での除草作業は身体的、そして精神的にも大きな負担です。

現場で作業にあたる灌木除去機

そこで、今回ご紹介したいのは、カンボジア地雷対策センター(CMAC:Cambodian Mine Action Centre)で活躍している、日本製の「灌木除去機」です ! この灌木除去機、みなさんよくご存知のショベルカーなのですが、、、アームの先にあるバケットの代わりに、茂みや灌木を伐採するための特殊な機器が取り付けられています。その機器には頑丈なカッターが仕込まれた回転する部品があり、その名も「ロータリーカッター」。木々や草をバシバシ除去していきます。さらに、熊手のように掴む機器「レークグラップル」も取り付けられており、大きめの灌木を取り除いたり、茂みを掴んで除去したりできます。万が一に備え、操縦席は特殊な防護がなされており、オペレーターの安全が確保されています。さらに冷房完備 ! CMACでは、地雷・不発弾除去の作業を行う際、作業時間の約70〜80%は人手による除草作業となってしまいがちですがこの灌木除去機を導入することで、除草作業がスピードアップされ、全体の除去作業が約2倍も早く終わるようになったそうです。この灌木除去機は2000年頃から日本の支援で導入が進められ、今もカンボジアの地雷原・不発弾のある土地で活躍しています。

「ロータリーカッター」と「レークグラップル」を装備した、たくましい灌木除去機

私たちの「カンボジア地雷対策センター組織強化プロジェクト」では、CMACの地雷・不発弾除去の取り組みをサポートしています。例えば、この灌木除去機についての知見を他の国にも広げようという取り組みもその一つです。プロジェクトのFacebookページでも、こういった地雷・不発弾除去にまつわるお話からCMACのランチの様子まで、色々な話題を少しずつ紹介していきたいと思っています。よろしければ、フォローをお願いいたします!

 

「カンボジア地雷対策センター組織強化プロジェクト」
専門家 林 明仁(総括)、浅田 義教(第三国支援/業務調整)

独立行政法人国際協力機構(ジャイカ) カンボジア事務所

ジャイカは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、

開発途上国への国際協力を行っています。

Web: https://www.jica.go.jp/cambodia/index.html

Facebook: JICACambodia


バックナンバー

facebookいいね!ファンリスト

クロマーマガジン

素敵なカンボジアに出会う小旅行へ―The trip to encounters unknown cambodia