ホーム 新マガジン記事 特集: 美しきカンボジア、至極のナチュラルリゾート

カンボジアクロマーマガジン7号

美しきカンボジア、至極のナチュラルリゾート

[取材・文] 多賀 史文 [写真] 多賀 史文 [制作] 谷岡 郁子

 

 鬱蒼と茂る熱帯雨林の深き緑、蒼空と溶けあうような紺碧の海。カンボジアにはまだまだ美しい大自然が残されている。

近年、そんな美しい自然を優雅にまた、密接に味わえる個性的なリゾートが誕生している。そんなナチュラルリゾートの旅をご紹介しよう。

 

Bensley Collection Shinta Mani Wild
ベンスリー・コレクション・シンタマニ・ワイルド

(上)清流の上に建築されたラグジュアリーテント。雨期の間はテントのすぐそこまで水が迫り、スリルと癒しをもたらしてくれる。

 

目覚める、カンボジアの野性
– Awaking the wilderness of Cambodia –

 底なしに深き緑、カンボジア南部に連なる山岳地帯。鬱蒼と茂る広大な熱帯雨林の中には、多くの野生動物が棲み、未だ人知れぬ秘境が多く遺されている。

 シンタマニ・ワイルドは、ボーコー、キリロム、クラヴァンの3つの山系に挟まれた大自然の中に、昨年末開業したラグジュアリー・エコリゾートである。

 シンタマニは03年よりシェムリアップで高級リゾートを運営しているホテル会社。同社のオーナーで著名な建築家のビル・ベンスリーは、カンボジアの美しい自然を保存・発信するべく、自身が長年に渡って温めてきたエコリゾートのアイデアを結集させてシンタマニ・ワイルドを完成させた。1.5㎞の清流を取り囲む350ヘクタールの広大な敷地の中に、スリル満点のアドベンチャーと、高級感と快適さに満ち満ちたグランピングサイトを設計したのである。

 ベンスリーが最初に仕掛けるアドベンチャーは、国内最長、全長350mのジップライン。ホテルに到着した宿泊客は、リゾートの敷地である密林の上を飛び越えて、探検家へと変身し、チェックインラウンジへと辿り着くこととなる。

 そしてラウンジの先には、大胆にも清流の上に迫り出すように建てられた、ラグジュアリーテント群が広がっている。モダンアートとアンティーク調を融合させた、ベンスリー独自の世界観のベースキャンプの中で、探検家たちはカンボジアの「ワイルド」と「エレガンス」を心行くまで堪能することととなる。

大自然に包まれて、一日の全てが新鮮な体験になる所
A place where you can experience everything fresh in the wilderness

 シンタマニ・ワイルドは最低三泊という宿泊日数制限があり、一泊(2名利用)がUS$3,000を超える国内最高級のホテル。しかしその料金に十分見合う価値がここにはある。というのも、住空間が素晴らしいのはもちろんこと、飲食からスパ、アウトドア・アクテビティまでオールインクルーシブとなっており、どれをとっても一級のサービスを受けることができるからである。

 特に注目したいのがアクテビティだ。シーズンによってコンテンツは入れ替えとなるが、乾季の間はレンジャーと共に行く密林トレッキング、蝶が大好きな執事と行くバタフライウォーク、ジェネラルマネージャーと一緒に愉しむフライフィッシング、熱帯の鳥が飛び交う川を下るシャンパンブレックファスト・クルージングなどを提供している。どれもため息の出るほど完璧なロケーションであることに加え、そのアクテビティを熟知した最高のガイドが案内をしてくれるのである。

 飲食もまた、探検家たちを飽きさせることがない。食事は1週間常に異なるメニューを提供しており、また夕食は毎晩異なったディナーイベントが用意されている。滞在中はBBQナイト、カレーナイト、クメールナイトが開催された。

 また、滞在中にはジェネラルマネージャー主催のイブニングカクテルに招待される。乾季の間は露呈した川底の上にキャンプファイヤーが組まれ、静寂の夜へと移りゆく黄昏時の空を眺めながら、ホテルのオリジナルカクテルを堪能することができる。3泊という体験を通して、探検家たちはカンボジアの野性に焚き付けられ、魅了され、癒されるのである。

 シンタマニ・ワイルドは、今カンボジアで最も注目されるべきエコリゾートだ。ベンスリーのこの挑戦的な試みを通じ、カンボジアの山の魅力が世界に発信・評価・保存され、また新たな形での観光開発のきっかけを創ることとなるだろう。

(上)テントの外にあるリビングエリアは、隣人を招いてパーティーを開きたくなるような空間。客室のアルコール類はもちろんコンプリメンタリーで、軽食をオーダーすることもできる。(下)15張のテントの内装は一つ一つ異なったテーマのアート作品で彩られている。

 

 

 


(左)本格的なサファリを体験できる森と川のアクテビティが充実。

(中)厨房はタイ人の敏腕シェフが腕を振るい、個々のリクエストにも柔軟に応じてくれる。
(右)ベースキャンプ近くの川を下るリバークルーズ。シャンパンを片手に、サギやサイチョウなど、色とりどりの熱帯鳥を観察することができる。

 


ベンスリー・コレクション・シンタマニ・ワイルド
Bensley Collection Shinta Mani Wild

住所:Prey Praseth Village, Southern Cardamom National Park, Preah Sihanouk Province

電話:+855-(0)63-964-123

メール:wild@shintamani.com

www.shintamani.com/wild.php

続きを読む 1 2 3


facebookいいね!ファンリスト

クロマーマガジン

素敵なカンボジアに出会う小旅行へ―The trip to encounters unknown cambodia