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ホーム マガジン カンボジア経済: 第35回:2015年のカンボジアの銀行セクター好調続く

カンボジアクロマーマガジン45号

 カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(National Bank of Cambodia: NBC)は、銀行監督報告書2015を発表しました。この報告書は年1回発表されますが、カンボジアの銀行セクターについて詳細なデータも含んでおり、大変参考になります。

カンボジア商業銀行最大手のACLEDA銀行本店。立派な新社屋が完成した。

カンボジア商業銀行最大手のACLEDA銀行本店。立派な新社屋が完成した。

 2015年末現在、カンボジアの商業銀行数は36行となっています。内訳は、地場銀行12行、外国銀行現地法人14行、外国銀行支店10行です。この他、特殊銀行11行、外国銀行駐在員事務所が8事務所あります。2015年末の商業銀行の本支店数合計は、2014年末の541店から9.6%増加して593店となりました。2015年末の従業員総数は、対前年比11.2%増の2万1969人となっています。日系メガバンク3行(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)は、いずれもプノンペンに駐在員事務所を開設しています。


 2015年も、カンボジア経済の好調の波に乗り、カンボジアの銀行セクターは引き続き順調に成長しました。2015年末の商業銀行36行・特殊銀行11行の総資産は、2014年末から23.2%増加して80.8兆リエル(約200億ドル:約2兆1400億円)に達しました。2015年末の貸付残高は、前年比25.7%増の47.6兆リエル(約117億ドル:約1兆2600億円)となりました。預金残高も、前年比17.4%増の46.3兆リエル(約114億ドル:約1兆2200億円)となっています。純利益も順調で、2014年の1兆2698億リエル(約3.2億ドル:約380億円)から25.1%増の1兆5885億リエル(約3.9億ドル:約420億円)となっています。総資本利益率(ROA)は1.96%、株主資本利益率(ROE)は10.9%と好調です。


 貸付先をセクター別シェアで見ると、卸売17.0%、小売15.7%、その他サービス8.4%、農林水産業10.2%、製造業7.6%、建設7.7%等となっており、実業向けが中心となっています。住宅(個人向け)は7.1%、不動産は4.8%、個人消費は5.4%に留まっています。


 貸付金利(加重平均)は、ドル建て1年で11.3%/年、リエル建て1年で15.7%/年となっています。預金金利(加重平均)は、ドル建て1年物で4.5%/年、リエル建て1年物で5.6%/年です。預金金利は銀行間でばらつきが大きく、最高金利は、ドル建て1年物で6.0%/年(プノンペン商業銀行、カンボジア郵便銀行)、リエル建て1年物では7.0%/年(ACLEDA銀行他)となっています。


 商業銀行・特殊銀行の平均不良債権比率は、2014年末の2.22%から若干減少して2015年末は1.99%となっており、引き続き低い水準にあります。

 

 NBCでは、最低資本金規制の見直し、流動性カバレッジ規制の導入、銀行監督の強化等により銀行セクターの健全性維持に努めています。また、即時決済システム(FAST)の導入等による効率化により銀行セクターの効率向上や成長促進にも取り組んでいます。今後の課題として、借入人側の金融知識の向上、国際的協力も含めて銀行監督能力の向上等にも取り組んでいくとしています。


鈴木 博(すずき ひろし)

2010年にカンボジア総合研究所を設立。
2007年からカンボジアに住んでいます。
ブログ「カンボジア経済」もご覧ください。
ブログ: http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh

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