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ホーム マガジン カンボジア経済: 26回目:カンボジアの鉄道 南線でコンテナ輸送始まる

カンボジアクロマーマガジン36号

  カンボジアの鉄道は、プノンペン~シアヌークビル間の南線、プノンペン~ポイペト(タイ国境)間の北線の2路線があります。軌間は、タイ・ベトナムと同じメーターゲージです。1970年代~80年代の内戦を経て、北線・南線とも線路等の状況は劣悪なものとなっていましたが、2009年まで王立カンボジア鉄道により、細々と貨物・旅客列車の運行が行われてきました。

 

 この状況を抜本的に改善するため、アジア開発銀行、オーストラリア国際開発庁、OPEC基金等の支援(総額1億4100万ドル:約166億円)を得て、線路や関連設備のリハビリ工事が行ってきました。

 

 工事完成後の運営は、30年のコンセッション契約で民間のトールロイヤルカンボジア社(オーストラリアのトール社が55%、カンボジアのロイヤルグループが45%を出資)に委託されています。この決定により、王立カンボジア鉄道は2009年に廃止されました。

シアヌークビル港でコンテナを積み込み中の貨物列車。

シアヌークビル港でコンテナを積み込み中の貨物列車。

 

 南線は、プノンペン~タケオ~カンポット~シアヌークビル(合計28 駅)を結ぶ266㎞の路線です。プノンペンとカンボジア唯一の深海港があるシアヌークビルを結ぶ路線です。

 

 南線は、当初1960年~1969年にフランス、ドイツ、中国等の支援によって建設されました。内戦後の状況から、上述のリハビリ工事の結果、2010年10月1日に南線のうちプノンペン~トゥクメアス(カンポット州)間117キロが、まず開通しました。また、2012年12月29日に南線全線の仮開通式典が、プノンペン駅で開催され、2013年1月から1日1便程度の営業運転が開始され、セメント、石炭、石油製品、キャッサバ、米等の輸送を行ってきました。 しかし、本命のコンテナ輸送のためには、シアヌークビル港内と、プノンペン近郊(サムロン地区)のコンテナターミナルの工事等を完成させる必要があります。シアヌークビル港では、コンテナターミナルと引き込み線の工事が進んでいます。現在は既存の引き込み線を使って、スタッカーによるコンテナの積み下ろしを行っています。一方、プノンペン側では、コンテナ輸送を早期に開始するために、プノンペンから約10キロのところにあるシアヌークビル港湾公社保有のプノンペン・ドライポートへの引き込み線を建設し、ドライポートでのコンテナの積み降ろしを暫定的に行っています。これにより、暫定的ではありますが、シアヌークビル~プノンペン間でのコンテナの輸送を2014年中盤から開始したとのことです。

 

 南線は、これまでの道路輸送を補完するものとなり、輸送コストの低減、国道4号線の渋滞緩和、輸送の安全・確実性の向上等の効果が期待されます。特に、プノンペン周辺の縫製業を中心とした製造業の原料輸入、製品輸出のためのコンテナ輸送に大きな効果をもたらすことが期待されます。


鈴木 博(すずき ひろし)

2010年にカンボジア総合研究所を設立。
2007年からカンボジアに住んでいます。
ブログ「カンボジア経済」もご覧ください。
ブログ: http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh

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