まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

コロナ後、再び進化の歩みを始めたプノンペンは、エンタメ界隈も変化し続けています。業態を変えて営業を続けているお店もあれば、残念ながらクローズされたお店もあり、生演奏を楽しめる場所も変わりました。既存のガイドブックやTrip Advisorの情報が古く、すでに店が無くなってたということもあるかも知れません。
筆者の雑感ですが、この町の生演奏文化はまだ過渡期であり、人口の増減やトレンドのうつり変わりに合わせながらいかに定着させれば良いか、演者もお店も模索しているように感じます。
今回は、雨季乾季問わずゴキゲンな生演奏が楽しめるおすすめスポットをご紹介したいと思います。(2023年現在)

Bouchon Wine Bar (St.174)

植民地時代の名残りが多く残るプノンペンには、美味しいフレンチビストロやワインバーがいくつもありますが、生演奏も一緒に楽しみたいならSt.174のBouchon Wine Bar！
毎週水曜にはジャズやポップスなどアコースティックな演奏、金曜はクメール音楽のバンドの演奏が楽しめます。食事も飲み物もとても美味しく、牛肉の赤ワイン煮(Beef Bourguignonne)が特におすすめ。

Craft (St.244 – Palace Lane)

王宮エリアの南、St.244界隈はおいしいハンバーガー店、ベーグル店、小劇場などが集まる注目エリア。Craftはその名の通り自家製ビールが楽しめるパブ。
生演奏は毎週火曜・金曜・土曜。ロック、ジャズ、ポップス、カントリー、クラシック、民族音楽など、多彩なプログラムが組まれており、音楽好きの常連さんが集まってきます。

Sofitel Phnom Penh, La Coupole

毎週日曜11:30から開催のサンデーブランチです。高級ホテルのレストランでジャズの生演奏と専属シェフMr. Driss Helali監修の豪華ブッフェを思う存分お楽しみ下さい。
おひとり様65ドル（税サ別）という価格帯ですが、お食事をされた方はプールアクセスも着いています。バースデーパーティにもよく使われています。

Green Pepper　(St.370)

ピカピカの高級外車が行き交うBKK1エリア・St.370のイタリアンラウンジレストランGreen Pepperでは、クラシックピアノやジャズバンドの演奏を聴きながらディナーを楽しめます。
オーナーシェフMr.Marcello Biancardinoによる絶品イタリア料理と厳選されたワインとともに、優雅なひとときをぜひお楽しみ下さい。ここのピアノはとても煌びやかな音色が鳴るので、個人的にとても好きな空間です。

Back Street Bar（St.308- Bassac Lane）

多くのバーやクラブが立ち並び深夜まで賑わうストリート308（＝通称バサックレーン）の中心スポットであるバックストリートバーでは、生バンドの演奏や人気DJのプレイが気軽に楽しめるオープンエアー型クラブ。
週末にノリノリの音楽で盛り上がりたいなら絶対ここはハズせません。決して猥雑で危険な場所ではなく、びっくりするくらい健全かつリーズナブルなお値段のスポットなので安心してお楽しみ下さい。

Oscar ‘s on the Corner（St.104）

夜の街リバーサイド北側St.104のオスカーは、プノンペンのロックシーンの象徴とも言える老舗ライブハウス。
月曜から日曜まで毎晩10時からバンド演奏にどっぷり浸れます。懐かしい60’s-80’s洋楽ロックソングが特にお客さんウケする傾向にあります。カンボジア人バンドのときにはクメールポップスソングも演奏されます。

Jazz Cruise

最後に、私の一番好きな演奏会場として「プノンペンジャズクルーズ」という催しを紹介させていただきます。
このイベントは私の演奏家仲間のIntan Andrianaの発案で持ち込み企画としてジャズバンドが船上演奏したのが始まりで、今では予約がとても取りにくい大人気企画となりました。
乾季（１１月～３月）の不定期開催、運航はクロコダイルクルーズ社、乗り場はSt.104付近、タイタニックレストラン横にあります。おひとり１０ドル（先行販売）、１５ドル（通常）の乗船料で約９０分間の生演奏つきのナイトクルーズが楽しめます。ジャズを聴きながらトンレサップ川やメコン川からプノンペンの夜景を、ぜひ一度お楽しみ下さい。

プノンペンにはまだまだ他にも素敵なお店や楽しいサウンドがたくさんあります。演奏スケジュールなどはお店のFACEBOOKやINSTAGRAMに掲載されていますので、ぜひお気に入りのお店やミュージシャンを見つけて下さい。

ジャズコントラバス奏者・安河内大介