ホーム 新マガジン記事 プノンペン補習校だより: 【プノンペン補習授業校だより】「知っていて当たり前」ではないこと

カンボジアクロマーマガジンPP19号

補習校幼稚部には、月曜日から金曜日までインターナショナルスクールに通う子どもたちが集まります。土曜日になると、日本の幼稚園と同じように当番活動をしたり、季節の歌を歌ったり、みんなで制作をしたりと、日本語だけで過ごす特別な時間が始まります。

そんな日々の中で、私たち教師は思いがけない発見をすることがあります。

春の共同制作で「みんなで大きな桜の木を描こう!」と声をかけた時のことです。当然知っていると思っていた桜ですが、返ってきたのは「さくらって何?」という質問でした。一瞬耳を疑いましたが、よく考えてみれば、四季のないカンボジアで育ち、春に日本へ帰国する機会がなければ、本物の桜を見ることはありません。

また、くだものの名前あて遊びでは、梨の絵を見せても首をかしげる子どもたちばかり。ようやく「梨だよね?」と答えたのは、日本から来たばかりの子どもでした。桃や栗も、子どもたちにとってはよく知らない果物の一つです。

さらに紙芝居『だいこん、ごぼう、にんじんさん』を読んだ時には、「ごぼうさんは見たことなーい!」という元気な声が教室に響きました。そのたびに、「そうか、日本では当たり前でも、ここでは当たり前ではないんだな」と気づかされます。

秋の紅葉や冬の雪景色も、絵本や映像で紹介することはできますが、本物の落ち葉を踏む音や、雪の冷たさまでは伝えきれません。

日本にいれば何気なく目にする季節の風景や旬の食べ物。しかし海外で育つ子どもたちにとって、それらは決して当たり前ではありません。子どもたちの素直な言葉に驚き、時には笑いながら、日本語だけでなく日本の自然や文化も伝えていくことの大切さを、私自身も学び続ける毎日です。

補習校幼稚部主任 山﨑邦子

PPJS (Japanese Supplementary School of Phnom Penh)

当校は、カンボジア日本人会によって設置され、 幼稚部、小学部、中学部で構成されています。入学する児童またその保護者には、日本人会の会員になって頂き、 保護者の協力を得ながら運営を行なっております。見学、その他はお問い合わせください。

OPEN:毎週土曜日午前8:30〜12:00

TEL: 095-962-235(開校時間中のみ)

Mail: ppjshoshuko@gmail.com

Web: https://ppjs.info/

Facebook: ppjskh


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