ホーム 新マガジン記事 カンボジアペット事情: 【カンボジアペット事情】カンボジアでのペットのしつけと日本との違い

カンボジアクロマーマガジンPP16号

カンボジアのペット、特に犬や猫に対する社会的な認識や飼育方法の違いから「しつけ」に対する考え方にも大きな違いが見られます。

日本では、ペットは「コンパニオンアニマル」として完全に家族の一員と見なされることが一般的です。室内飼いが主流で、トイレトレーニング、無駄吠えの防止、留守番の練習といった基本的な社会化やマナー教育が非常に重視されるようになりました。ペットショップでは様々な訓練グッズが売られ、専門のトレーナーによるしつけ教室などもあります。これは、都市化が進み集合住宅での暮らしが多い日本のライフスタイルと、周囲への配慮を重んじる文化背景が影響しています。動物愛護法も厳格化が進んでおり、動物福祉に対する意識は高いと言えます。

 一方、カンボジア特に地方では犬は昔から番犬としての役割が大きく、都市部でも庭先や屋外で放し飼いにされている姿をよく見かけます。農村部では、犬は家族の一員として大切にされている場合も多いですが、日本のような厳密な「しつけ」はあまり一般的ではありません。彼らにとって犬は、共に暮らしながらも、ある程度の自立を許容される存在です。また、カンボジアは狂犬病の発生国です。このため、公衆衛生の観点から動物への接し方が日本とは異なる側面もあります。

 しかし、近年のカンボジアの経済成長に伴い、プノンペンなどの都市部では変化の兆しが見られます。外国人だけでなく一般富裕層を中心に室内でペットを飼う家庭が増えてきました。こうした層では、日本や欧米のようなペットケアやしつけへの関心が高まりつつあります。また、以前よりも犬肉取引の禁止といった動物福祉の向上がすすみました。

 日本とカンボジアのペットのしつけの違いは、それぞれの国の歴史、文化、経済状況、公衆衛生といった複雑な要因が絡み合って形成されていて、カンボジアでの「実利的な関わり」から現代的な「愛玩動物としての飼育」への過渡期にあり、しつけに対する意識も多様化しています。今後、カンボジアの動物福祉がさらに進展し、両国間のペット文化のギャップが縮まっていくことでしょう。

喜久田 治郎

ジャパンアニマルホスピタル

カンボジアの獣医療発展や狂犬病などの伝染病撲滅活動に貢献する為、カンボジア獣医師の育成に取り組み犬猫を中心とした治療や動物愛護啓蒙活動を行っている。

OPEN: 9:00-17:00

Mail:japananimalh@gmail.com

TEL: 010 303 088

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