まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

牛乳パックや蚊帳などを再利用し、バックやアクセサリーを製造・販売しているスマテリア。リサイクル製品とは思えぬおしゃれなデザインであるとともに、とても丈夫に作られており高性能であることから愛用者も多い。現在はカンボジア国内だけではなく、世界中でスマテリア商品を手に入れることができる。

2006年、2人のイタリア人女性エリサとジェニファーによってスマテリアは設立された。

慈善事業の団体とは違った形でカンボジア人に貢献することをモットーに活動しているスマテリア。その一環として、カンボジア人への技術教育も積極的に行っている。本格的な就業前に、縫製産業生産センター（GIPC）で効率的な生産方法を学習する研修がある。また、スタッフの家族にも同様にトレーニングの機会を与えている。カンボジア人は学習意欲が高く、好奇心旺盛であるという。高い技術を身につけることで、今後よりよい仕事に就ける可能性も広がると、設立者の2人は考える。

製品の生産には、現在カンボジア人101名が携わっており、特に小さな子供をもつ若い女性を積極的に採用している。カンボジア、そしてカンボジア人を尊敬して止まないというエリサとジェニファー。より働き易い職場にするため、産休中でも給与は100％支払い、健康保険への加入を義務付ける。子供がいる女性が安心して働けるように、保育所を設立するなど福利厚生の充実に力を入れている。

労働者の権利が保護され、伸び伸びと働ける職場がまだ多くはないカンボジア。スマテリアは一人でも多くのカンボジア人に就業の場を与えていきたいという。