まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

　今から、およそ10年前。シェムリアップの中心地オールドマーケット付近では、病や貧困に苦しむ家族から離別を強いられた多くの子供たちが、ストリートチルドレンとして生活していた。子供たちの健康状態や教育体制の改善を目指し、ワット･ダムナックの住職が中心となり食事提供から活動を開始。国内外から支援者やボランティアが集まり、団体を設立した。

　支援内容には、縫製学校、女性の高等教育支援、農村や貧困層の教育・生活支援、外国語学校、仏教・社会性教育のプログラムがある。特に子供と女性を支援対象としており、対象の若者は2000人以上。縫製学校の生徒の中には、幼い子供を連れて通学し、自力で生計を立てるために訓練に励んでいる生徒の姿も見える。

　また、奨学金制度を利用した女学生が大学で学位を取得するなど、継続的な支援が着実に実を結んでいる。来年は大学の奨学生を100人増やす計画もあり、いずれ母親となる女学生に教育の重要性を教えることで、彼女たちの子供たちへも教育の重要性を伝える。次世代への良循環をつくり広げていく支援は、カンボジア発展のキーアクションとなり得るだろう。