50ドルでカンボジアの田舎、ラタナキリへ。vol.2
50ドルでカンボジアの田舎、ラタナキリへ。vol.2
私は現在、インターン生としてクロマーマガジンに勤めている。ボスに50ドルで2泊3日の旅をしてブログを書いてこいと言われ、ラタナキリに行くことにした。1日目はシェムリアップから丸一日かけて移動し、街を少しだけ歩いて終わった。 そして、この記事は2日目の記録である。 前編を見ていない方はこちらからぜひ見ていただきたい。 https://krorma.com/local/interntrip1/
5/12 6:30AM、木造のドミトリーの壁から漏れる光で目が覚めた。宿で自転車をレンタルしたいと伝えたら、マウンテンバイクと、ママチャリがあると言われた。値段はどちらも2ドル。ママチャリをよく見たら、立川区のシールが貼られていたので、なんとなくママチャリにした。
ギシギシと鈍い音を立てながら、出発した。まずは、街の中心地にあるBan lung市場に行ってみた。
朝から多くの人で賑わっている。どうやら少数民族が食材を買いに来るという噂だが、それらしい人は見つけられなかった。観光客らしき人は自分だけだった。外には食品が並び、中には日用品、衣服、貴金属などが販売されている。この辺の構造はシェムリアップのローカル市場とだいたい似た感じであった。
8:00AM、朝ごはんとしてりんごとノムアカオ(Num Akor)と言う蒸しパンのようなものを2000リエルで買った。近くにあるKan Seng Lakeという湖のベンチで食べることにした。中にココナッツミルクのクリームが入っている。しつこくなく、ほのかな甘みで美味しい。
腹が満たされて目も覚めてきたので、早速滝を見に行くことにした。ラタナキリには有名な滝がいくつかある。だがどれも入場料が1ドルかかる。調べていると、レビューの少ないマイナーなOu Chum Waterfallという滝を見つけた。どうやら無料で入れるらしい。あまり情報がないので未知数だが、とりあえず目指してみる。
ラタナキリは山に囲まれた土地なのでアップダウンが激しい。急坂を猛スピードで下るのは最高に気持ちいい。帰りがしんどいなんてことは気にしない。30分ほど進んだらコンクリートの道がなくなり、赤土の道路になった。Googleマップが示す場所付近にいるのに看板など一切なく、滝らしいものが見当たらない。
立ち止まっていると、遠くから声をかけられた。ちょうど良いので滝への行き方を聞いたが英語が通じなかったので、ジェスチャーと気合いでコミュニケーションを取った。この先真っ直ぐ行って左に行けと行っていた(多分)。カメラに興味津々だったので写真を撮らせてもらった。色々話したが、特に物乞いするわけでもなく純粋な好奇心から話しかけてくれたのが嬉しかった。
彼女を信じて進んでみるが、滝らしきところは見当たらない。近くをウロウロしていると、木々の中に人が通った跡があるのに気がついた。
真っ直ぐ行って左に曲がれと言ってたのはまさかここのことなのか。。恐る恐る入ってみると、水の流れる音がする。本当にあった。
小さな滝とは聞いていたが近くで見るとなかなかの迫力。水が透き通っていてとにかく綺麗だ。
誰もいなかったので滝を独り占めした。なんて贅沢な時間だ。
10:00AM、クールダウンしたので移動することにした。景色を眺めているだけで面白いので目的を決めずに適当に進んでみる。柵で覆われた集落のようなものが点在している。
壊れては継ぎ足しを繰り返す家。
中に入って写真を撮りたかったが、なんだか危険な香りがプンプンしたのでその場を後にした。
それにしても何もない。バイクもほとんど通らない。葉っぱが揺れる音と鶏や虫の鳴き声、そして自分が自転車を漕ぐ音だけが鳴っている。
バインミー屋を見つけたので3000リエル(0.75ドル)でテイクアウトした。ちょうど人が通った形跡がある森があったので入ってみた。Googleマップには載っていない道だ。
究極の2択。
これ以上行っても何もなさそうなので、適当なところに座り、木に囲まれながらバインミーを食べた。
11:00AM、一旦中心地へ戻る。急な上り坂が続き、ママチャリを選んだことに若干後悔しつつ、ゆっくり進む。坂を超えたあたりで、行き道で出会って声をかけられた女の子に偶然再開した。さっき出会ったところからはかなり距離あるのに、びっくりだ。どうやら同じ方向に行くらしいので乗せてあげた。
バイクだったら気づかずあっさり通り過ぎていたかもしれないし、マウンテンバイクだと後ろには座れないので、ママチャリでよかったと初めて思った。
12:00PM日差しがキツくなってきた頃、ようやく中心地へ戻ってきた。
アイスを2000リエル(0.5ドル)で購入し、しばらく休憩して復活した。
特に目的地がないので、今度はKachanh WaterfallやKatieng Waterfallがある南の方をぐるぐるサイクリングすることにした。どうやら現地人には、ロン毛の男がママチャリで山道を進んでいるのが異様な光景のようで、たくさん声をかけられる。カメラを持っていると写真を撮ってくれと言われることが多い。

みんな無邪気でかわいい。元気をもらった。
適当に自転車を走らせていると、木が不気味なほど等間隔で植えられている森を見つけた。
どうやらここ一帯はゴム農園みたいだ。
流石に疲れが溜まってきたので途中でお茶とお菓子を4000リエル(1ドル)で購入した。
この先に進んでもゴムの木地獄が続きそうなので中心地へ戻ることにした。
上り坂がキツく、自転車を押しているとアイス売りのおじさんに声をかけられた。話しているうちに仲良くなって、行く方向が同じだったので荷台に乗せてもらった。
なんて優しいんだ。そして中心地まで連れて行ってもらった。彼に最大限のオークンチュラン(ありがとう)を送ってお別れした。体力が限界に近かったのでカフェに入った。5000リエル(1.25ドル)のレモンティを頼んだ。
行った距離を計算したらすでにフルマラソンくらい移動していた。1時間ほどゆっくりして回復したので最後にSvay Mountainという、丘の上にある仏像を見に行くことにした。そこからみる夕焼けが綺麗らしい。
急な上り坂をみんなバイクでスイスイ登り、心が折れかける。頂上付近に行くとお寺らしき建物が増えてきた。アドレナリンで辛さも忘れて夢中で漕いだ。
6:00PM、仏陀の頭が見えてきた。なんとか日没までに到着できた。夕日が仏像の後ろにかかり、後光のように輝く。
疲れが一気に吹き飛んだ。頂上には地元の人や観光客がたくさんいたけど、ママチャリで来たのは当然自分だけ。自分で登ってここまできた付加価値でより一層感動が増した。ママチャリだから人に声かけてもらったり、乗せてあげたり乗せてもらったり、人とたくさん触れ合った。景色をよく観察できたし、そして自分の足で漕いだからこそ感動の景色に出会えた。最初は50ドルの縛りをつけたボスを恨んでいたが、縛りがあったからこそ、逆に自分の可能性が広がったような気もする。そうだな、この旅に題名をつけるなら「50ドルの旅〜ママチャリのすゝめ〜」であろうか。
とはいえまだ旅が終わったわけではない。ブレーキの軋んだ音を響かせながら、下山する。飯を食わなきゃいけないが何かを探して遠出する体力はないに等しいので適当に入って、フライドライスを2ドルで食べた。
よく見るクメール料理といった感じだが、久しぶりにガッツリ食べたのでめちゃくちゃ美味かった。帰りにはまた昨日のようにビールを500リエルでゲット。
宿のオーナーに、チャリで行った距離を地図で見せたが、最初信じてもらえなかった。彼からタフガイの称号を貰った。
以上、タフガイインターン生のラタナキリ旅行記でした。
使ったお金:ママチャリ8000、朝ごはん2000、バインミー3000、お菓子4000、アイス2000、カフェ5000、夜飯8000、ビール500
残り:8000リエル(2ドル)





