まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

　今年の9⽉7⽇から21⽇までの２週間、ラオス国⽴美術学院（NIFA）の学⽣たち5⼈と1⼈の先⽣を、ラオスの国際交流基⾦（JF）のサポートを受けて、2週間のスタディープロジェクトとしてYamada School of Art（YSA）に招きました。朝9時から⼣⽅5時まで、連⽇デッサンの基礎を徹底的に指導しました。私が教えた王⽴芸⼤出⾝のカンボジア⼈先⽣が、私と共にラオスの学⽣を、鉛筆の持ち⽅から構図の捉え⽅、観察の⼤切さ、そして表現技術まで教え、彼らのまっすぐに学ぶ姿勢がとても印象的で、⼤きな成果も出しました。
私は2023年と2024年にラオス国際交流基⾦によりラオスを訪れ、現地で指導を⾏いましたが、今年はその逆で、彼らがカンボジアに来てくれました。ラオスとカンボジアは地理的には隣国でありながら、意外にも⽂化や教育の交流が少ない現状があります。だからこそ、このプロジェクトは両国の若い世代が芸術を求めて互いを理解し、学び合う貴重な機会になったと思います。
同じ東南アジアの国として、それぞれが発展の途上にあり、これからの社会を担う若者たちの感性と努⼒に⼤きな期待が寄せられます。アートは⾔葉を超えて⼼を通わせる⼒を持っています。ラオスの学⽣たちとカンボジアの学⽣たちが、同じ教室で描き合い、笑い合う光景に、私は未来の希望を感じました。
今年度もラオスに⾏って指導をしてきます。そして来年もまた、ラオスの学⽣をカンボジアに招き、共に学び、描き続ける場をつくって切磋琢磨できる環境を作っていきたいと思います。国際交流基⾦にはいつもカンボジア、ラオスとこのような機会を作って頂けることに⼼から感謝を申し上げます。

山田 隆量