まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

　プノンペン補習授業校の小中学部の朝は、児童生徒全員が多目的室に集まり、歌を歌うことから始まります。学校の最初の活動として大きな声を出して歌うことは、心も体もしゃんと目覚め、授業に取り組む前のよいウォーミングアップになります。

　各学期の始業式、終業式では生徒のピアノ伴奏で校歌を歌い、そのほかは小６クラス担任の坂野先生のピアノ伴奏で「鯉のぼり」「小さい秋見つけた」など日本の季節に思いを巡らす歌や、「切手のないおくりもの」「グリーングリーン」「気球に乗ってどこまでも」「大きな古時計」など、教師や保護者からのリクエストに応えたりもします。

　また100年以上前の文部省唱歌を歌うこともあります。昔の歌は言葉が難しいですが、歌を通して自然に日本語の七五調や、古語に親しむことができます。このような様々な歌に触れながら、時には輪唱やハモリを加えた「合唱」にもチャレンジし、児童生徒全員が楽しく歌いながらひとつになったとき、得難い一体感が生まれます。

　しかし何といってもハイライトは、3月の卒業式の最後に歌う歌です。ここ数年は中学部の卒業生のリクエストに応えて、難しいJポップにも挑戦し、これまでに「手紙～拝啓—十五の君に～」「花は咲く」などを歌いました。昨年度は「僕のこと」（Mrs.GREEN APPLE）でした。

　さて、今年度のリクエストはどんな歌でしょう。今年度3月21日の卒業式を、今から楽しみにしています。

小学5年生担任 福田智彦