ホーム 過去のマガジン記事 トッケーのつぶやき: Vol.7 風変わりノート

カンボジアクロマーマガジン42号

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カンボジア国内で広く使われている国語のノート。なぜか形は縦横20.5cm x15.5cmというサイズで、中は複雑なクメール語が書き易いように網戸の目のように縦横線が入っています。主に小学校で使用されています。

 最近のノートは、外国の風景だったり、動物、植物、車などの写真が表紙と裏表紙をカラフルに飾っていますが、一昔前はちょっと風変わりなデザインの物がありました。特に、教育普及、記念の目的で作られたものです。おそらくもっとたくさんの種類があるのでしょうけれど、そのうちの一つを紹介します。

 結核予防のための注意喚起ノート。1999年(でしょうか)、日本のODAで建設された結核病棟の写真が、なぜか2002年に建設されたきずな橋とともに表紙を飾っています。500リエル札に続く日本のODA記念グッズです。ちなみに裏表紙は、村人たちのグロテストな絵とともにタンが絡むような咳をする際は、あるいはそんな咳をする人が近くにいたら、手やクロマーで口をふさいで、病院に行き検査や治療を受ける事、という指導が書かれています。ノートの中身を見たら、なんとひらがな表や、簡単な日本語の単語欄があります。

 「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」などに続いて、「けっかく」「せき」という単語も見られます・・・・。普段日本人でもめったに使わない単語なのですが、当時このノートを作った人の気持ちがよーくわかります。


いしもと ゆみ

1992年、NGO職員としてカンボジアに赴任。今は法務税務事務所で日系企業担当として奮闘、カンボジア生まれの2人の子持ち。サーフィンのような人生を楽しみながら、泣いたり笑ったり。

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