ホーム 過去のマガジン記事 トッケーのつぶやき: Vol.3 桃の国とマンゴの国

カンボジアクロマーマガジン34号

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 この夏1年ぶりに日本に帰国。外出中通りすがりにいつも目についた、カンボジアに戻る前に絶対に食べたい!と思っていた果物がありました。その果物とは「桃」です。私にとって「桃」は郷愁のあるなつかしい果物です。

 桃さえ食べられれば今回の日本滞在は大満足、とばかりに2個買って冷して、いざ試食。皮を剥き、割れ目に包丁を入れたところで、はたと固まりました。しばらく桃を食べていなかったせいで、切り方を忘れてしまったのでした。実の真ん中に包丁を入れたまま完全に立ち往生してしまいました。

 ふとこのポーズ、いつかのどこかに似ているではないですか。そうそう、マンゴを切ろうとした時、同じように固まってしまった経験があります。今でもマンゴを上手に切ることができずにいるので、今年の課題の1つに「マンゴを上手に切れるようになること」を加えました。

 何とか不格好にも桃の果肉を切り、口にすると、その美味さは最高!でありました。日本で食べる桃は絶品、カンボジアで食べるマンゴもまた絶品。

 ところで、縦割り社会のカンボジア、相変わらず現政権は根強く硬く、その体質は深く村々まで染み込んでいます。甘い芳香を放ち一見ソフトに見えるけれど、実は中央は縦にも横にも割れず外圧にも強く中が見えない、まるでマンゴの種のようです。外圧を加えると割れてしまうことのある日本の桃の種は、熱帯育ちよりずっと繊細なのでしょう。

 

 


いしもと ゆみ

1992年、NGO職員としてカンボジアに赴任。今は法務税務事務所で日系企業担当として奮闘、カンボジア生まれの2人の子持ち。サーフィンのような人生を楽しみながら、泣いたり笑ったり。

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