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カンボジアクロマーマガジン43号

歴史と自然を感じるまち カンポット

[取材・文] 岡 克哉 [写真・制作] 北山 義浩(クロマーマガジン編集部)

今なお色濃く残る歴史と豊かな自然が溢れ、ゆっくり時が流れる小さなまち。
そんな魅力がつまったカンポットを特集。

 

プノンペンよりバスで3時間半。カンボジア南西部に位置するカンポット。胡椒やドリアンで有名なこの街の歴史は古く、約100年前のフランス植民地時代には、多くの人であふれていた。中心街には当時のフレンチコロニアルの建物が今もなお残る。そして、街の西側を流れるコンポンバイ川、市内より西部に見えるボーコー山。自然豊かで、郊外には多くの見どころが点在する。なかでもフランス植民地時代に避暑地として人気のあったボーコー国立公園は、当時の栄華を感じることのできるスポットだ。カンポットには、歴史ある見どころや美しい自然が多く存在するが、まだ知名度は低く日本人の観光客も少ない。そんなカンポットは日ごろの喧騒から離れ、静かに歴史を感じ、また壮大な自然を目の前に、のんびりとした時間を過ごすことができる街である。

 

BUS from Phnom Penh

プノンペン市内より毎日運行。所要時間は3~4時間

 ジャイアントアイビス  HP:www.giantibis.com
 ソリヤトランスポート  HP:www.ppsoryatransport.com

 

 自然と共にある「歴史を感じる」

フランス植民地時代の雰囲気が色濃く残るカンポット。歴史を感じ、昔ながらの変らない生活風景も垣間見られるスポットをご紹介。

 

43_top壮大な景色と廃墟が並ぶゴーストタウン

カンポット市内から西へ約15km、標高1080メートルに位置するボーコー国立公園。山頂にはカジノホテルの「タンソワボーコーハイランドリゾート」が建設され、ソカホテルグループによるボーコー国立公園の大きなリゾート開発が進められている場所でもある。フランス植民地時代にボーコーヒルステーション(カジノホテル)、教会などが建設され、1950~60年代には避暑地として多くのフランス人が訪れた。しかし1970年代にはクメールルージュとベトナム軍の戦場となり、ボーコー国立公園に建つ建物は次第に廃墟となった。そんな廃墟となったゴーストタウンを一目見ようと近年観光客が増え、多くの人が訪れる。ゴーストタウンの他、かつて世界遺産候補になるほどの豊かな自然があり、滝などを周るトレッキングツアーも人気。

ボーコー国立公園
市内各旅行会社でツアー代金:10US$~(入場料込み)

 

43_top映画のような街 ・フレンチコロニアル

カンポット市内にはフランス植民地時代の雰囲気を残したまま、建物を改装し、ホテルやレストランとして経営しているところが多い。閑静な街に佇むフレンチコロニアルの建物は、映画のセットのような街並みを演出している。特に川沿いから一本東の通りに多く見られる。

フレンチコロニアルビルディング

 

43_top歴史を学ぶ博物館

2015年に開館した博物館。館内にはカンポット州の歴史を紹介したパネルを中心に、フランス植民地時代の様子を描いた絵画や写真が展示されている。また文化芸術省から提供された貴重なアンコール時代の彫刻も展示されていて、見ごたえも十分だ。

カンポット博物館
料金:2US$
時間:15:00-18:00(火・木・土)/ 8:00-11:00(日)
地図:B4

 

43_top岩山の中の歴史ある寺院

カンポットより東に約15km、山の上にある洞窟の中には、プレアンコール時代から残っているレンガで造られた寺院が眠っている。鍾乳洞の奥にある寺院は神秘的で今でも線香をあげに地元の人が訪れる。

プノンチュヌク寺院
料金:1US$
地図:MAP外

 

43_top中国から伝わる昔ながらの製塩方法

海水を平らな土地に流し込み、天日によって海水を蒸発させて塩を作る。1930年代に中国から伝わった方法で、現在でも製塩している。主に乾季に行われている。

塩田
料金:1US$
地図:C4

 

43_top伝統的な漁師たちの村

市内南部に位置する漁村。漁師の多くがチャム族で、村から10km程南に下ると海に出る。エビやアジがよく採れ、市内にも出回っている。夕暮れ時には、漁を終えた漁船が停泊している。

チャム族の漁村
地図:MAP外

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