カンボジアクロマーマガジンREP8号
支援を続けて行くうえで大切なことは、本人、ご家族との信頼関係を少しずつ深めていくことだと考えています。毎週一度、定期的に家庭訪問をさせていただき、ご本人の障がい状況等をわかりやすくお伝えし、積極的にコミュニケーションを図る事を心がける中で、ご本人、ご家族から成育歴や生活環境、近況や体調、現状で抱える不安やニーズを丁寧に聞き取り、必要な現物支援などのサポートに繋げます。
また、この2年半の間に新たに15名の子ども達とも出会いました。支援児のみなさんのご家族、ご親戚、或いは村の方から情報を頂き、所在を探りながら訪問させていただくのですが、ある日突然の見ず知らずの日本人の訪問に皆さん驚かれ、もちろん警戒もされます。しかしながら、同じプロセスを辿ることで徐々に信頼関係を構築することが出来ます。ご家族を含め、彼らの生活環境をより安心で暮らしやすいように整える支援も大切にしています。
紙おむつを定期的にお届けする事をはじめ、車椅子のお届け、車椅子だけではなく、自宅玄関へのスロープの設置や洋式トイレの設置等の環境整備等を通じて、ご家族の介護負担の軽減や、ご本人の日常生活における自立度を高め、少しでも彼らが目にする世界を広げる事を目的としています。
14年間ほぼ寝かせられっ切りであった脳性麻痺の男の子に車椅子をお届けし、車椅子に乗ってはじめてお家の外に出た時の笑顔と歓声は忘れることが出来ません。それまでの彼の視界に入るのはお家の床と天井ばかり、車椅子に乗ることで視点が変わり、外に出ることで世界が広がります。
彼らの生活に入り込み、一部を共有する事で、決して物質的、経済的に「豊か」ではないものの、心穏やかに、たくましく、しなやかに「どっこい生き抜く」エネルギーの大きさに、刺激を受け、励まされる日々です。「支援」等とは何ともおこがましく、自身の活動の源となり、人生の糧となっていることに気づきます。
- ご自宅にスロープを設置
- はじめて車椅子に乗り 歓声をあげるティダー君
NPO法人スロラニュプロジェクト 近藤 正樹
シェムリアップ市周辺の農村部に暮らす障がいのある子ども達及びご家庭への支援、及び2012年コムルー村に建設したスロラニュ小学校への継続的な支援、重症心身障がい児が入所するシェムリアップ州立孤児院センターへの支援等
Mail:obake627@yahoo.ne.jp
電話番号:096-274-0590
Web:nposrolanhproject
Facebook:nposrolanhproject
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