ホーム 新マガジン記事 クメールの風が吹く村から: クメールの風が吹く村から~障がい児と共に歩む~3

カンボジアクロマーマガジンREP7号

スロラニュプロジェクトは現在、州立孤児院センターに入所する3名の重症心身障がいのある3名を始め、シェムリアップ近郊の農村部に暮らす20世帯、23名の様々な障がいのある子ども達の支援をしています。週一度の家庭訪問による支援を基本としつつ、年に数度、市内に全世帯に集まっていただいてのデイサービスの実施や外出支援(遠足)等にも取り組んでいます。主には、医療支援、生活支援、自立(就業)支援等を中心に、多面的な支援を心がけています。

今回は医療支援についてご紹介させていただきます。
シェムリアップ在住の、カンボジアの医療ライセンスを持つ医師、喜多野医師に全面的にご協力いただき、医療にアクセスできない農村部の支援児、介護にあたるご家族に必要な医療を定期的にお届けしています。

重度の知的障がい、身体障がいが有り、てんかん発作を合併している14歳のナリーさん。
1日に数度、意識を失い、全身が痙攣する大きな発作が有り、ご本人は苦しく、ご家族も不安な思いを募らせていたことでしょう。

経済的な状況により交通費等が捻出できず、定期的に市内の病院にアクセスすることが難しく、てんかんの診断すら付かない状態で、10数年間、外出する事も出来ず、お家の
軒下のベットの上で寝かせられっ切りの生活をしていました。

喜多野医師の診断により、抗てんかん薬をお届けし、服用を始めたところ、翌日からピタリの発作が治まりました。発作が抑制されると、身体機能や認知機能が徐々に向上し、劇的にQOLが高まります。

安定した座位すら取れなかった彼女は、スロラニュプロジェクトがお届けした車椅子に乗って、母と、朝の涼しい時間に散歩に出かけることが日課になりました。

通院、診断、治療、服薬、リハビリ、療育等、日本では当たり前のように誰もがアクセスできますが、カンボジアの農村部においてはほぼ行き届いていない現状が有ります。

NPO法人スロラニュプロジェクト 近藤 正樹

シェムリアップ市周辺の農村部に暮らす障がいのある子ども達及びご家庭への支援、及び2012年コムルー村に建設したスロラニュ小学校への継続的な支援、重症心身障がい児が入所するシェムリアップ州立孤児院センターへの支援等

Mail:obake627@yahoo.ne.jp
電話番号:096-274-0590
Web:nposrolanhproject
Facebook:nposrolanhproject

 


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