まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

スロラニュプロジェクトでは定例の家庭訪問による個別的な支援に加え、年に数回、全支援児家庭に、デイサービス的な取り組みや外出支援にも取り組んでいます。普段、外出する機会も無く、親御さん同士も交流がない中、心待ちにされている取り組みになっています。今回は昨年実施した外出支援（遠足）の様子をご紹介します。

ボランティアスタッフの協力と、車椅子が必要な子ども達に行き渡ったこと、またご家族との信頼関係の積み重ね等の条件が整ったため、一昨年シェムリアップ郊外にオープンした Angkor Wildlife ＆ Aquarium（水族館）へ遠足へ出かけました。

当日はあえて子ども達のみをお預かりし、私たちに子ども達を託して頂く事としました。子ども達はご家族と離れるのは初めて。車椅子に乗ってのお出かけも初めて。お母様方も子どもを他者に託すのが初めて。
お迎え時、子ども達は少々不安げな表情で、またわずか数時間のお別れになりますが、涙を流すお母様もいらっしゃいました。

道中の車内では、自己紹介やレクレーションでリラックス。水族館でもその圧倒的なビジュアルと空間に心奪われ、初めて目にする色とりどりの魚や動物たちの姿、他の子ども達との交流など、みんな大はしゃぎで楽しい一日となりました。家族から離れ一日を過ごすことが出来、少し自信を深めた子どもたちが、ご家族に自慢げに今日一日体験したことをお話しする様子が目に浮かびます。

カンボジアにおいて新たに建設される公共的な施設には、スロープやユニバーサルトイレの設置等のバリアフリー化が強く推奨されており、 Angkor Wildlife ＆ Aquariumも車椅子ユーザーも快適に利用できる施設となっています。