カンボジアクロマーマガジンPP4号
皆さんこんにちは。カンボジアで魚の研究をしている、岡田龍樹(おかだ りゅうじゅ)です。本稿では多種多様なカンボジアの魚や漁業について紹介させて頂きます。
今回はカンボジア料理に欠かせない「プロホック」について、その素材となる魚と漁獲方法についてご紹介します。プロホックとは淡水魚を塩と混ぜて発酵させて作ったペースト状の調味料です。強烈な香りが特徴的で、皆さんも一度は食べた(あるいは食べられない!と思ったこと)があるのではないでしょうか。
カンダル州とコンポンチナン州の州境のトンレサップ川上で漁を行っている漁業者さんは、朝6時から夜7時まで休みなしで1日で数十トンを水揚げします。1回の水揚げは数トンで、水揚げのたびに魚を手作業で選別します。プロホック用に選別されていたのはRasbora spp. (Tray chongwa など)やMystacoleucus marginatus(Tray temprak)でサイズは10cm程度でした。漁業者さんの携帯にはひっきりなしに仲買人から電話がかかり、その場で販売先を決定していきます。販売された魚は、工場・小規模業者・家庭でプロホックに加工されます。
Mystacoleucus marginatus 尾鰭や背鰭の青色が綺麗今回ご紹介した魚以外にも、魚価の高い魚(ライギョなど)を使ったプロホックもあります。魚種や製法の違いにより、味や香りも全然違います。魚や漁業者さんに思いを馳せながら、ぜひお気に入りのプロホックを探してみてはいかがでしょうか。
目指せ! カンボジアの魚博士!?
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程在籍。トンレサープ湖・カンボジアの人々に衝撃を受け,カンボジアの漁業・魚についての研究を志しました。
寄稿: 岡田 龍樹
Mail:kurumimaru1224@gmail.com
TEL: 096-743-6323
Facebook: Ryuju Okada
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