まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

大使館の業務内容を分野ごとに御紹介するシリーズ、3回目となる今号は、政務班の業務についてです。
政務班は、主に、日本の外交政策に関連するカンボジア政府との調整と交渉や、カンボジアの政治・社会情勢及び対外関係に関する情報収集と分析を行っています。さらに、防衛分野の交流、法制度整備やガバナンス分野での協力の可能性の検討、日本の重要政策や日カンボジア関係についての広報などをカンボジア政府はじめ様々なアクターと連携しながら実施しています。
特に今年は、5年に一度行われる総選挙の年。38年間に渡り首相を務めたフン・セン前首相が長男のフン・マネット前陸軍司令官に首相職を引き継ぎ、フン・マネット新内閣が発足するという歴史的な出来事があり、政務班は大忙しでした。

7月23日の投票日に向けて、参加政党の政策方針などについて報道など様々なソースからの情報をまとめたり、与野党の政党関係者、政府関係者、有識者等と意見交換をし、選挙を巡る情勢の分析や結果の予測をしたりしました。在留邦人の皆様の安全に影響を及ぼすような動きを見逃さないことも重要なポイントであることは言うまでもありません。選挙結果は、与党・人民党が、125議席中120議席、フンシンペック党が5議席を獲得し、人民党政権が継続することになりました。
そして、8月に成立した新内閣では、多くの若い指導者が大臣に就任し、カンボジアの政治の世界では世代交代が進みつつあります。大使館としては、政府、与野党、市民社会等の従来からの幅広い人脈を大事にしつつ、次世代との関係構築を図り、フン・マネット首相をトップとする新しいカンボジア政府が何を重視し、どのように国を運営していくのかを見極め、日カンボジア関係の更なる発展に繋げようとしています。
こうした活動が、ひいては在留邦人の皆様の安心と安全、両国間の観光やビジネス分野での交流の活発化に貢献できれば幸いです。

在カンボジア日本国大使館
政務班