カンボジアクロマーマガジンPP16号
わたしは手紙が好きだ。書くのももらうのも好きだ。いまの時代、伝達ツールが多岐にわたって発達しているので一瞬にして全世界に言葉を届けられる。
のだけれども、プノンペン中央郵便局に私書箱を借りているわたしは、届けるのに1週間かかり、受けとるのに2週間も3週間もかかる手紙という手段を好んで使っている。
同じことをする人を複数知っているが、海外旅行に行くと旅先から自分にハガキを出す。わたしからわたしへ。間違いなく自分の方が先に旅から帰るのだが、忘れたころに私書箱に迎えに行くのが何よりの旅のお土産になる。
手紙というものは、送る側には、ポストに差し込むときにちゃんと届くかというどきどき感を味わわせてくれる。受けとる側は、届いた手紙を手にとったときにわくわく感が得られる。思いをのせた筆圧や、ペンの汚れや、誤字を誤魔化した塗りつぶしなど、キーボードにはとうてい敵わない愛しさが詰まっている。だからコーヒーのしみなんかは大歓迎だ。それが手書きの手紙のもつ温かさだと思う。
これからも日本や他国に住む友人へ、わたしはせっせと手紙を書く。手紙を受けとった人にひとつお願いがある。「手紙が届いたよ」とLINEやSNSで知らせないでほしい。手紙やハガキでそれを知らせてもらえると、私書箱のふたを開けに郵便局に出かけるわたしの足取りも軽くはずむ。
増子夕夏
おかっぱ書房 Okappa Shobou
プノンペンの片隅でいとなむ代書屋です。原稿の執筆から、Webのコピー、お手紙、など「書く」に関するお仕事をしています。
「書く」交々(こもごも)のご相談もたまわります。
電話:096-431-0207
時間:8:30-17:30
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