カンボジアクロマーマガジン12号
美しい蓮と作り手に出会う時間
織り手のお母さんとの出会い
ウォーターヒヤシンスは別名ホテイアオイという、カンボジアならどこででも見ることができる水生植物だ。この茎を刈り取り、ゴミなどを取り除き、乾燥させ、燻蒸して白さを出し、編み上げて一つの製品にしていく。全部の工程を作り手の女性だけで行っている。作り手のお母さんは、それぞれ家の一角で家族の協力の元、全ての工程を行い、製品を作り上げていく。傍で見ていると、簡単なように見えるが、不揃いの茎を同じ幅に割き、同じ網目で形を整えながら編んでいくのには技術が必要だ。村のお母さんは何ヶ月も練習を重ね、道具を工夫し、今の姿があるのだ。ここでは、単なるお土産品だけではなく、日常のファッションでも使ってもらえるようなバッグや、インテリアのアクセントになるような収納の籠を製作している。お母さんのすぐ傍らでは、子どもたちが大騒ぎしながら遊び、近所の人が声をかけながら通り過ぎ、猫や鶏が行きかう。混沌とした日常の中、カンボジアの手仕事から、美しい製品が生み出されていくのだ。
今回お邪魔したのは、3人の子どものお母さんのチャンティーさん。お腹には4人目の息子さんが。雨季には水が溢れ、ボートで行きかうこの地域に住む人々の中で、決して裕福とは言えない暮らしをしているが、お母さんの表情は明るい。家族と離れることなく、家で仕事ができるのがいいと話す彼女は、一家の稼ぎ手として製品を作り、家族の生活を支えている。普段着でお化粧していないのよ、と恥ずかしがりながらも写真に応じてくれた彼女の笑顔がまぶしい。
織り手のお母さんが丁寧に編んだウォーターヒヤシンスの籠バック。すべてパバナサラのオリジナルデザインだ。日本のデザインとカンボジアの手仕事が出会い、素敵な製品を生み出している。
ベリーベリー veryberry
Add: Old Market lane, siem Reap
OPEN: Thu-Sun 12:00~18:00
※現在、変則営業となっています。
Web: www.veryberrycambodia.com/
Mail: info@veryberrycambodia.com
Facebook: Very berry -handmade in Cambodia
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