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カンボジアクロマーマガジン9号

カンボジアの未来をつくる ぜひ訪れたい! SDGsなあの場所へ Making the Future of Cambodia from here!

[取材・文・写真・制作] 谷岡 郁子 / [取材・文・写真] 岡 克哉

SDGs / Phnom Penh

カンボジアの伝統的なシルク産業を未来に残す
The Silk House / ザ・シルク・ハウス

カンボジアでの縫製産業は、海外から安い生糸を買い付けそれをカンボジアで縫製するのが一般的だ。そうした一方、カンボジアの文化とも言える生糸から生産する伝統的な織物は手間がかかり織りあがるまで時間がかかるが、そうした伝統産業にまだまだ付加価値がついていない為、買付け業者に安価に買い取られる。そうしたこともあり、どんどん衰退していっているのが現実だ。シルクハウスは、そうした伝統織物という手法をファッション業界でコミットさせ、地元産業として持続可能で社会的な製品づくりを目指して創設者のバナリー氏が立ち上げた。シルクハウスでは、良質なシルク製品とバイヤーをつなげるショーケースとして、また取り組みを紹介する為のスペースだ。

 

カンボジア内戦時に絶滅の危機にあった「カンボウジュ種」と呼ばれる蚕から糸を紡ぐ。金色の糸を用いて作られるシルクは「ゴールデンシルク」と呼ばれ世界的に注目されている。手織りで作られるシルクは、機械織りと比べ、手触り良く仕上がる。

 

伝統を守りシルクの良さを世界に伝える

シルクハウスで使われるシルクは、支援するプレイベン州のシルクコミュニティやカンポット州の農村コミュニティで、伝統的な技術で生産されている。間近で見ることの少ない、こうした伝統的な技法や製品を体験できるの施設だ。普段目に触れることの少ない、蚕を育てる様子や糸を紡ぐ工程を見てもらう事で、こうした製品の付加価値や良さ、持続可能な生産を体験できる。工房専属の優秀なテーラー達がこうした布を製品へと生まれ変わらせる。また、シルクハウスでは、環境負荷の高い大量生産される綿生地のアップサイクルにも取り組む。軽やかに伝統と現代の感覚を掛け合わすシルクハウスの取り組みは、あらたな伝統織物産業としてカンボジアの未来を創る。

2018年グッドデザイン賞も受賞したバナリー氏のデザイン性の高い製品。アップサイクルの生地とオーガニックシルクを組み合わせた小物など、ここならではの商品が並ぶ。工房2階のショップで購入が可能だ。

 

Tha Silk House
ADD : No.116, St.371, Mean Chey, Phnom Penh
TEL : +855-(0)10-556-226
E-MAIL : vannarysan@gmail.com
WEB : http://lotus-silk.com/

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