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カンボジアクロマーマガジン7号

エコツーリズムの最先端 コッコン州チーパット

[取材・文・制作] 岡 克哉 [写真] 多賀史文

Trekking
カルダモン山脈の大自然に触れる

  トレッキングは早朝から始まった。森林ガイドが厚手の靴にリュックを背負いビジターセンターから出てくる。慣れた様子でバナナの葉に包まれた弁当を参加者に配り、「お昼ご飯です、各自しっかりと山に持って行ってください」、そしてさらに奥の机にある大量のペットボトルの水を指し示して「ここにある水は好きなだけ持って行ってください。山には水はありませんから」と言った。要は自分の飲む分は自分で、ということらしい。しばらくすると村の住人たちがバイクに乗ってビジターセンターの前に集まってきた。このバイクの後ろに乗りトレッキングポイントまで山を登ると言うのだ。山までの道は過酷で、道という道はなく、開拓されていない山道をひたすらバイクで進む。途中広大な平原が現れ、過酷な道中の開放感と共に、何とも言えない絶景に少し癒された。バイクで1時間ほど山を登り、トレッキング開始のポイントに到着した。住民たちは参加者とガイドを残し、バイクで帰って行った。元ハンターであるガイドは、リュックから20cmほどのナイフを取り出し、開拓されていない山道をナイフで枝をはらいながら、先頭を歩きだした。トレッキング中には様々な豆知識を披露してくれた。「昔、この地区では密猟が行われていて象がタイ国境の方まで逃げてしまった。ワイルドライフ・アライアンスの活動で、チーパット地区の自然は保護されて、今では象が少しずつ戻ってきている。運が良いときは野生の象が見れるよ」と、生き生きと話しながら軽々と山を登るガイドが印象的だった。何度も休憩をはさみ、初級コースとは思えない程の未開拓で自然たっぷりの12kmを体験することとなった。 

 

経験豊富な森林ガイドがトレッキングを牽引してくれる。道中で見つけた、木の枝を切り、中から蜜を吸う様子。

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素敵なカンボジアに出会う小旅行へ―The trip to encounters unknown cambodia