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カンボジアクロマーマガジン7号

エコツーリズムの最先端 コッコン州チーパット

[取材・文・制作] 岡 克哉 [写真] 多賀史文

The History of Chi Phat
チーパット村の過去密猟や違法伐採の村

 1991年のカンボジア内戦終結後は、国内の政治は不安定で治安も悪かった。当時、都心部の復旧活動や都市開発が進められる中、地方都市であるコッコン州までは開発の手が回らなかった。手付かずのまま残ったジャングルでは、違法伐採や希少な動物の密猟が横行。その密猟や違法伐採を行う密猟者たちの拠点として賑わったのがチーパット地区だった。そんなチーパット地区をカンボジアでのエコツーリズムの先端地域に育ててきたのが、ワイルドライフ・アライアンスだ。フランスのNGO団体支援の元、この地区の自然や希少な当物に注目した同団体は、ツーリズムサイトを立ち上げ、観光客の誘致を行った。またこの手つかずの自然を守るために、村の住人たちに密猟や違法伐採を辞めさせるように働きかけた。村の住人たちが密猟で得ることができる収入よりも多くの収入を稼げるように、森林ガイドとしての仕事を与えた。住人たちに、森でのハンターの経験や知識を生かして森林ガイドとして働けば、しっかりと稼ぐことができると教え、森林ガイドの育成を積極的に行ったのだった。また村の民家に、観光客が泊まることのできるホームスティ先のバンガローを作り、観光客を受け入れるように働きかけた。最初はなかなか村の住人たちに受け入れてもらえなかったが、こうした地道な活動が実を結び、今では、欧米人旅行者を中心に、年間約4000人が訪れるカンボジアのエコツーリズムの最先端として注目される地区となった。

 

15年ほど前までは、密猟者の拠点として治安の悪い地域だったここも、今は観光地としての顔になりつつある。

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