カンボジアクロマーマガジン3号
「暮れゆくメコン」 紙本 岩絵の具 91cm × 72.7cm
04年8月19日。当時私はシェムリアップに行く際は、必ずプノンペンで二泊ぐらいしてから国内線で移動していたのですが、この時はちょっと寄り道して、タクシーでコンポンチャムへ二泊三日のスケッチに行きました。メコン川の流域で生活をしている風景を見たかったのです。
プノンペンを発ち、二時間半ぐらい掛かったでしょうか。メコン川の目の前に構えた割と大きなホテルに着きました。名前はメコンホテル。殺風景でガラーンとしたホテルでしたが、朝食付きで一泊10ドルはとても安いと当時は思ったものでした。朝食はフランスパン一本、ハムエッグにコーヒー。自分には十分でした。
着いたその日の四時頃、メコン川沿いを歩いていると、川で遊んでいる子供達や木の下で悠々閑々と過ごしている大人達、そして小さな船が数隻漁から帰ってくる風景に出会い、私はのんびりとそれに見入っていました。そして黄昏の夕暮れに入った時、私は言葉では表せないぐらいの美しい世界に出会いました。
雄大な日没のメコン川を背に、漁師達が木の下で船の手入れをしながら優雅なひと時を過ごしている。彼らにとってはなんでもない日常の生活が、私にとってとても神秘的な世界でした。
その晩、ホテルの前の屋台で孵化した噂の卵を子供達の美味しそうな顔につられて初めて食べました。
Scene3: Twilighting of Mekong
In 2004, I went to Kampong Cham to sketch. When I was walking along the Mekong in the evening, I came across children playing in the river, adults idle and gentle under the tree, and a few boats back from the fishery. When the sky entered the twilight, I saw a beautiful world. Fishermen were carrying their boats to under the trees with the majestic sunset behind. Maybe it’s nothing special for them, but it was a very mysterious for me.
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