カンボジアクロマーマガジン0号
紙本 岩絵の具 2600mm×1450mm
この作品は現在SOFITEL PHNOM PENH PHOKEETHRAのギャラリーで私の個展「Memory」に2020年1月末まで飾られています。
私はこれまでのほとんどの作品をカンボジアの自然と人々をテーマに描いてきましたが、2007年ぐらいからプノンペンに立ち寄る機会が増えるにつれ、フランス植民地時代の名残の古い雑居ビルが面白くて、そうした街並みのスケッチを始めていました。統一性がなく色もカラフルで、洗濯物が掛かっている様子に生活感と言うよりも楽しさを感じ、人々の活気溢れる様に自然の中で過ごす人々とは全く違った、混沌とした街中で生活する、そんな生きるパワーを感じました。また建物もまるで生きて息をしている様に自分に映りました。
この絵は3箇所のスケッチを組み合わせて大通りをイメージして描きました。2014年に一度仕上げましたが、最近はオートバイやtuk tukの乗り物が溢れるほどに増えてきたため、2018年にかなり描き足しました。
最近は中国経済の影響で街もだいぶ様変わりしてきました。古い町並みは真新しいビルやショッピングモールに代わってきています。プノンペンの懐かしい風景が変わっていくことに、寂しさを覚えます。
- タグ
バックナンバー
- 第八景 「バイヨンの月」 カンボジアクロマーマガジン8号
- 第七景 「大地の木陰」 カンボジアクロマーマガジン7号
- 第六景 「踊るパラソルの下で」 カンボジアクロマーマガジン6号
- 第五景 「洗濯物と自転車」 カンボジアクロマーマガジン5号
- 第四景「アンコール・ワットの夜明け」 カンボジアクロマーマガジン4号
- 第三景「暮れゆくメコン」 カンボジアクロマーマガジン3号
- 第二景 「まるでドリームランド」 カンボジアクロマーマガジン2号
- 第一景 「眩」 カンボジアクロマーマガジン1号
- 第九景 「PHNOM PENH」 カンボジアクロマーマガジン0号