カンボジアクロマーマガジン42号
ヘレン弁護士の法律通信
Vol.2 近時の交通法令違反の取締強化について
ヘレン・ウー Helene Ou
公共交通機関が充分に整っていないカンボジアでは、車やバイクを運転される読者の方も多いかと思いますが、実は詳細な交通ルールがあり、違反者には罰金や場合によっては禁固刑等の罰則が定められていることはご存知でしょうか?2015年1月6日には、道路交通法が公布され、2016年1月1日からは、道路交通法の違反に対する仮罰金に関するサブデクリー85号が適用されることになり、今までよりも数倍罰金額が引き上げられることになりましたので注意が必要です。特にカンボジアでは、法令上、交通違反の取締りを行った交通警察官が、支払われた罰金額の50%を自ら取得できるとされていて、交通違反取締に向けてのインセンティブ制度とも呼べるような制度までできているため、今後のさらなる取締強化が予想されます。交通ルールの内容は様々ですが、ご参考までにいくつか例を挙げておこうと思います。
ヘルメットを着用することなくバイク等を運転した場合には、一万五千リエル(USD 3.75程度)の罰金、その他、呼気中のアルコール濃度が1ℓあたり0.40㎎又は血中アルコール濃度が、1ℓあたり0.80gの状態で運転を行った場合、1ヶ月ないし6ヶ月の禁固刑に加え、八十万リエル(USD 200程度)から四百万リエル(USD 1,000程度)の罰金とされています(呼気中濃度が、0.25から0.39㎎又は血中濃度が0.5から0.79gの場合は、三万リエル(USD 7.50程度)から十二万五千リエル(USD31.25程度)の罰金)。また、アルコール検査等を逃れたり、拒んだりした場合も6日間ないし1ヶ月の禁固刑に加え、十万リエル(USD 25程度)から八十万リエル(USD 200程度)の罰金とされている点注意が必要です。無用なトラブルを避けるためにも交通法規を遵守した安全運転を心がけましょう。
ヘレン・ウー/ OU HELENE MAIL: heleneou.law@gmail.com HP:www.heleneassociates.com
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