ホーム 新マガジン記事 Joy Of Art: 【Joy of Art】初めての絵

カンボジアクロマーマガジンREP14号

 カンボジア・カンポット州の田舎の小学校。
昨年11月、KDDI財団が寄贈した真新しい校舎で、111名の子どもたちへの「生まれて初めての美術授業」を行いました。

初めて握る絵筆、使いかたもわからないスティックのり。最初は戸惑っていた子どもたちでしたが、いざ描き始めると、そこには驚くほど生き生きとした世界がが広がっていきました。その自由な筆の動きは、まるでずっと眠っていた「描きたい!」という喜びを、一気に溢れ出したかのようでした。

「そんなことをして、一体何になるのか」

完全無料の美術スクールを始めて20年、時にはそんな言葉を向けられることもありました。
確かに、絵を描いてもお腹は満たされません。将来の仕事が約束されるわけでもありません。けれど、あの日、子どもたちが描いた「初めての絵」には、その問いを超える力がありました。

子ども時代に、子どもの時間を心から楽しむこと。
それは、何ものにも代えがたい「心の栄養」ではないでしょうか。

目で見て、肌で感じて、自分の頭で考える。
たとえ手が思うように動かなくても、今の自分にできる精一杯の表現に夢中になる。その小さなワクワクの積み重ねが、やがて大人になった時の「豊かな心の土台」になると、私たちは信じています。

私たちはこれからも、私たちにできることを通して、子どもたちの「心の畑」を耕し続けたいと思っています。

笠原知子

 

 


小さな美術スクール Small Art School

元都立高校美術教師・笠原知子が2008年に開校した完全無料の美術スクールです。これまでに国内外で絵画展を実施。現在の生徒数は約450名。スクールの他に、2つの村への出張授業、カンボジア11州で美術授業を実施。

WEB:www.smallartschool.org 
メール:smallartschool@gmail.com
Facebook:SmallArtSchool

 


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