カンボジアクロマーマガジンPP8号
ローカルの食堂でご飯を食べる時、見かけたら必ず注文する魚がある。トゲウナギだ。カラッと揚げたトゲウナギを、唐辛子を少し足した魚醤につけて食べる。旨みが強く、泥臭さを全く感じない。ついついご飯をお代わりしてしまう。
英語名はスパイニーイール、トゲのある(Spiny)ウナギ(eel)と呼ばれ、トゲが強調されている。数ミリ程度の鋭いトゲが、背びれの手前に並んでいることが由来である。けれど、実はトゲはそんなに目立たない。それよりも、模様が印象に残るのだ。イチオシは背びれが瑪瑙模様のトゲウナギ。市場でも目立っていてすぐ判別できるし、何といっても瑪瑙模様にうっとりとしてしまう。ちなみに日本には生息しておらず、熱帯魚として人気が高い。
トゲ「ウナギ」だが、分類上はタウナギ目であり、ウナギ・ハモ・アナゴが属するウナギ目ではない。姿形も異なっていて、トゲウナギは口先に行くほど尖っており、先端にはヒゲのようなものがある。川や湖の中では、尖った口先を上手く使って砂に潜る。この性質、観賞魚として水槽で観る分には可愛いが、投網で捕まえた時は網に首を突っ込んでなかなか取れず苦労する。「トゲ」という名前は、背びれではなくて尖った口先が由来なのではないかと思うほどだ。
食べても観ても記憶に残るトゲウナギ。味に辛口の人が食べても、きっと舌を唸らせるだろう。
目指せ! カンボジアの魚博士!?
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程在籍。トンレサープ湖・カンボジアの人々に衝撃を受け,カンボジアの漁業・魚についての研究を志しました。
寄稿: 岡田 龍樹
Mail:kurumimaru1224@gmail.com
TEL: 096-743-6323
Facebook: Ryuju Okada
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