まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

今回の日本映画祭は最多の５都市、プノンペン、シェムリアップ、バッタンバン、コンポンチャム、シハヌークビルでの実施をしまして、８３００人近い方にお越しいただきました。その中で、地方での映画祭は「そもそも映画館があるの？」と聞かれることも多く、今回はそんな地方３都市での映画祭を振り返りたいと思います。

まずはバッタンバン。芸術の都として有名ですが大手の映画館はまだなく、街の中心部から車で２０分くらいのボレーの中に「Cinema Ek Phnom」という映画館があります。田んぼに囲まれた牧歌的な空気ですが、さすが芸術の街、多くの芸術関係者の方たちにもお越しいただきました。

次いでコンポンチャム。「きずな橋」が有名ですが、ここにも町の中心部に小さな映画館「Sihamoni Theater」があります。周りを学校に囲まれ、平日でも学生のたまり場としてにぎわっている映画館には、アニメやラブコメを中心に、多くの学生さんが来場しました。

最後はシハヌークビル。ここでのイベントは初挑戦で、大手の映画館もあるのですが、あえて地元の方にも親しまれている町の映画館「Sarayandet Cinema」を会場にしました。普段は夕方から深夜にかけてホラー映画を中心に上映していることもあり、無料で日中に実施した今回の映画祭は、映画館になじみのない近所の子どもたちが殺到しました。

地方でやるイベントは、都市部で実施するものとまた違う面白さがあります。次回の映画祭はついに第１０回目。次回の映画祭にもぜひご期待ください！

田中　晴輝