カンボジアクロマーマガジン号
市場で見かける、口からレモングラスが飛び出した状態で、炭火でくるくると焼かれている魚(写真1)。カンボジア語では「チダオ」、日本語では「雷魚(ライギョ)」や「スネークヘッド」と呼ばれています(Channa micropeltes)。焼く、煮る、揚げる、スープや干物にするなど、普段の食事はもちろん結婚式でも食される、カンボジアで人気の食材です。
ライギョという名前の由来には諸説ありますが、一説には「嵐の際に地を這って移動するから」と言われています。地を這って移動する魚! 実はこのライギョ、「ラビリンス器官」という特殊なエラを持っており、空気中から酸素を得ることが出来るのです。市場では、生簀から脱走してクネクネと移動(お散歩)している姿を見かけることもあります。
カンボジアでは、近年ライギョの養殖が急拡大し、現在は養殖生産量のトップ2になるほどです(写真2)。養殖魚の生産量の増加には、天然魚の減少が1つの理由として挙げられています。
ライギョはサイズによって呼び方が変わる出世魚です。小さいものは「ディエップ」、大きいものは「チダオ」と呼ばれます。近年は天然のチダオが取れることはあまりなく、大きくなる前のディエップが漁獲されているようです。
人口増加と共に水産物需要も増加しています。養殖業の推進をすると共に、天然資源の適切な管理も同時に行えたらと思います。
目指せ! カンボジアの魚博士!?
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程在籍。トンレサープ湖・カンボジアの人々に衝撃を受け,カンボジアの漁業・魚についての研究を志しました。
寄稿: 岡田 龍樹
Mail:kurumimaru1224@gmail.com
TEL: 096-743-6323
Facebook: Ryuju Okada
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