ホーム 新マガジン記事 JNNC通信: 【JNNC通信】セーブ・ザ・チルドレン~子どもの心身の成長を包括的に支援~

カンボジアクロマーマガジンPP5号

セーブ・ザ・チルドレンは、プノンペン、コンポンチャム州、コンポンチュナン州、コッコン州の事務所を拠点に19州にて、小学校教育の質向上、農業技術向上を通した生計・栄養支援、気候変動への取り組み、社会福祉人材の育成や地域関係者との協働を通した子どもを暴力から守る体制の強化など、子どもの心身の成長に包括的に取り組んでいます。

本記事では、コンポンチャム州で実施している公立小学校の子どもたちを暴力から守る活動に焦点を当ててご紹介します。活動初期に行った調査で、調査前1ヶ月間に約3割の子どもが身体的暴力や精神的暴力などを受けたことがわかりました。子どもたちが暴力撲滅の啓発に向けて描いた絵に、教員が長い棒を持って子どもを叱っている絵が多くあったことからも、子どもたちの日常に暴力があることが明らかになりました。

長い棒を持つ教員に叱られている様子を描いた子どもの絵

社会の慣習と関連する暴力撲滅に取り組むことは容易ではありませんが、生徒会、教員や養育者、コミューン(地域)から国レベルの行政関係者と連携しながら、①何が暴力であるのかを知り、予防すること(啓発と予防)、②暴力の被害を受けた際には通報し、訓練された者によって対応がなされること(対応と体制の強化)、③コミューンの子どもの保護担当との連携強化(学校の対応能力を超えた事案への対応と学校へのサポート強化)を行い、既存の仕組みやネットワークの強化を基盤に活動しています。子どもや教員の意識に少しずつ変化が見え、1年後の同調査では、暴力を受けた子どもが約2割に減少しました。子どもたちが暴力に脅えることなく学校で学べるよう、さらに活動を続けます。

各学校の子どもの保護担当教員からは学校での暴力が減っていることを実感しているといった声が聞こえています。

私たちは、子どもに関する課題に包括的に取り組むべく、コミューンレベルの自宅訪問を通して子どもや養育者の声を聞くことから、国レベルの省庁との戦略づくりまで、幅広く活動しています。企業の皆さまの技術やサービスとの連携によってカンボジアの社会課題を解決するような取り組みも実施していきたいと考えています。

廃棄されたペットボトルと古い漁網でトンレサップ湖のごみを集める仕掛けを作る子どもたち

Mana Miyawaki
文:宮脇 麻奈

 

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

Save the Children

1919年に創設された子ども支援活動を行う国際NGO。子どもの権利の実現を目指し、緊急・人道支援、保健・栄養、教育、子どもの保護、防災などの分野で日本、カンボジアを含む世界約120ヶ国で活動しています。

Mail: japan.project@savethechildren.org

Web: https://www.savechildren.or.jp/

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