ホーム 新マガジン記事 JNNC通信: 【JNNC通信】医療の届かないところに医療を届ける ジャパンハート

カンボジアクロマーマガジンPP1号

 

「この病院がなければ、この国の小児がんの子どもの多くは医療にアクセス出来ません。

患者1人ひとりに愛情たっぷりに接してくれるスタッフに心から感謝しています」。

 

これは、小児がんの治療のため「ジャパンハートこども医療センター」に入院していた2歳の男の子のお母さんが、退院の日に私たちにかけてくれた言葉です。男の子の名前はダラ。「神経芽腫(しんけいがしゅ)」という悪性腫瘍の治療のために入院し、半年に渡る治療を経て、今年4月末に退院しました。

 

退院の日 お母さんと一緒に病院を出るダラ(今年4月)

 

国際医療NGOである特定非営利活動法人ジャパンハートは、カンダール州ウドンで「ジャパンハートこども医療センター」を運営しています。カンボジア国内で唯一、小児の固形がん全般を無料で治療する病院として多くの小児がん患者を受け入れているほか、がん以外の小児患者や成人患者の診療、周産期医療にも対応しています。

 

腫瘍の摘出手術に臨むダラ(今年3月)

 

急速な経済発展が続くカンボジアですが、医療の環境整備は未だに課題が山積しています。

その大きな要因のひとつは、70年代の「クメール・ルージュ」政権の下で医療者を含む多くの知識層が虐殺され、医療が崩壊した歴史が今も尾を引いていること。近隣の国々と比べても医療者、特に専門医の育成が遅れ、保険制度も行き届いていません。

 

そうした背景もあり、貧困層の人々が高度な医療を受けるためにはジャパンハートこども医療センターのようなチャリティー病院しか選択肢が無い状況が続いているのです。冒頭のお母さんの言葉も、そうした状況を受けて発せられたものでした。

 

手術を終えた小児がん患者をICUに移す治療チーム(今年5月)

 

小児がんは医療の進歩によって先進国では8割の治癒が見込める時代となりましたが、カンボジアを含む途上国では今も5年生存率が3割に届かず、適切な診断や治療を受けられていない患者も多いと考えられています。

 

生まれた環境に関わらず誰もが医療を受けられる環境をつくりたい。その思いを胸に、私たちはこれからも活動を続けていきます。

 

 

 

(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート

ジャパンハートは、2004年に設立された「医療の届かないところに医療を届ける」をミッションに東南アジア・日本を中心に活動する医療ボランティア団体です。

カンボジアでは2008年より活動を開始し、2016年にはカンダール州ウドンにて自前の病院を建設し、カンボジア人医療従事者の人材育成とともに、質の高い医療を提供する活動を行っています。

Mail:publicity@japanheart.org

Web: https://www.japanheart.org/

Facebook: japanheart.hospital


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