まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

半世紀の時を経て再び開業、格調高いアールデコの洋館ホテル

　常夏のカンボジア。フランス植民地の統治者たちも、この暑さには参ったことであろう。そんな彼らを引き付けたのが標高1,000ｍにもなるボーコー山。一年を通じて清涼なこの地は、王族やフランス人エリートたちの避暑地として開発され、また西洋野菜の栽培や酪農などが行われた。1925年には、バンガローしか宿泊施設がなかった山に、高級ホテル「Le Bokor Palace」が開業し、避暑地ボーコーは栄華を極めた。

　その後第二次大戦中には一度閉業されるも、仏領から独立後に一度再建。しかし70年代にカンボジア内戦が勃発すると山は荒廃し避暑地は廃墟と化した。

　その中ソカグループによる投資により、今年2月に40年近くもの時を経て、3度目の開業の日を迎えた。欧州よりタイルや家具を輸入し、建設当初の建物を再現。館内は優雅なアールデコ様式のインテリアに輝いている。

　レストランでは仏領時代に提供されていたフレンチメニューや、クメール宮廷料理などを提供。エレガンスで奥深い体験のできるホテルとなっている。

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