カンボジアクロマーマガジン4号
熱帯地方の森の中、生命力溢れる蔦が絡み合う。その中で美しい木漏れ日を受ける女性。目の前に絵のような世界が広がる。この写真は籠作りをする村の女性たちと一緒に、素材を求めて森に同行させていただいた時の一枚だ。
素材を採取した後は、丁寧に皮を剥ぎ、2~3日干した後ようやく編み始める。小さな籠を編むのに約1日を要する。こうして森の恵みと人の手から生まれた小さな光の塊はカンボジアのみに留まらず、人の手から人の手へ伝わり少しずつ世界中に広がっている。柔らかな波紋が静かに広がっていくように。
大量に作られ、一斉に消費され、効率良く利益を生み出していく。より多くの人を満たすため、合理性という強力で有無を言わさぬパワーがどんどん世界を染めていく中、この風景はそれとは正反対に位置するモノづくりの姿。誰を責めるでも自らの正義を唱えるでもない。自然の循環の中で生まれるお裾分けである。この小さな物体は多くの人を満たせずとも、巡り合った一人の幸せに繋がるのもまた事実。多様な価値がある中にこんな景色が含まれているのも、なかなかいいものではないか。
アクセサリー類など小さな小物を入れるのにぴったりの
ちび籠シリーズはhotorimemento(ホトリ・メメン
ト)取扱店舗やオンラインストアで購入可能。
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- -ノッポの椰子の木の下で。- カンボジアクロマーマガジン1号