ホーム 過去のマガジン記事 シアヌークビルの潮風: Vol.17 2015年乾季リゾートシーズン真っ盛り

カンボジアクロマーマガジン38号

 

 2015年に入り、シアヌービルは乾季真っ盛りでビーチリゾート・ハイシーズンに突入した。日中は非常に暑いが、海の潮風は心地よく、朝夕も比較的涼しく過ごしやすい日々が続いており、また、今年は多くの観光客は陸でのリゾートより沖の島でのリゾートを楽しんでいるようである。
 さて、乾季の太陽を一杯受けて、我が家のプカークロダー(紙の花)も美しいピンク色の花を一杯咲かせており、さらに、マンゴの木にはたわわな実が多くぶら下がり、その下のテーブルの上で愛犬達が私の帰りを待ちながら、昼寝をしたりしていて思わずほっとして癒される昼下がりの光景である。

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 ところで、その愛犬達にとっての朗報は、当地のインデペンデンスビーチにあるエマリオビーチリゾート内に「Happy Pets」という ロシア出身のRoman獣医師とSasha看護士(英語通訳)の獣医療クリニックが開院したことである。カンボジアでは犬猫はまだペットという考え方がなく、家の内外で勝手に放し飼い(放置)されているのが常態である。しかし、当地では外国人居住者が増えて、犬猫をペットとして飼い始めた人達が増えて来たのか、最近は街中でも愛犬をつないで散歩している人も時々見かけるほどである。我が家の愛犬4匹も感染症・狂犬病の予防接種に加え、昨年7月に生まれた仔犬「タイガー」が皮膚病にかかり今はその治療中である。昨年、別の愛犬が病気になった際、プノンペンまで車に乗せて日帰りで連れていったことを思えば、地元にペットクリニックができたことは大変便利なことである。

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日々変化発展し続けているビーチリゾート

 相変わらずシアヌークビルは異常なスピードで日々変化している。不動産開発も活発で毎朝の通勤路でもあるCT通りと交差してビクトリーヒルからシアヌークビル港に向かって下る坂道道路に面した物件はその建設が着々と進んでいる。そのひとつは、山を切り開き建設するフラット・ヴィラ・マンションから成る大型物件で、顧客へのリース契約で銀行も提携している販売用リゾート施設である。ここ以外にも同種物件があり、そのような状況下、国道4号線界隈から港周辺の地価はかなり高騰しているとの話である。

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 市内もビーチでも新規にレストランやバーが開店しており、その中でも近年、日本人オーナー、日系投資案件も増えて来ている。老舗のダイブショップ・日本食レストランに加え、新たに海の家・バー・ホテル・ゲストハウス・バス会社・旅行会社等々、多方面で多種な分野にその数が着実に増えて来ており、その結果、当地の在留邦人の数もかなり増えて来ている。また、日本からの工場投資ではなくリゾート・サービス産業向けの投資視察ツアーで来られる人達も増えており、これから日系資本でのリゾート投資案件が益々増えることであろう。

 

 経済特区の現状

 今回は、シアヌークビル港SEZ(略称SPSEZ)の特徴と優位点、並びに今後の課題についてお話ししたい。2015年1月よりシアヌークビル港公社内で人事異動があり、SEZ部にも新部長が就任し、組織改革・スタッフの活性化・顧客サービスの向上などに着手し始めた。
 SPSEZは、カンボジアで唯一の深海港に面した臨海工業団地で、日本政府の支援でその設計と施工がなされた良品質なインフラ設備を完備した経済特区である。工場用地取得入居費用とインフラ諸費用が他のSEZと比べ高いというコスト面の問題があるが、テナント顧客に対して土地リース料の支払条件として最長3年の無利息分割延払を提供しており、また物流面では、港の真横に立地していることで輸出入の利便性、国内トラック輸送費がかからず物流費の節約、更に、港から経済特区へのコンテナー移動料(ドレージ料)を無料化する等、事業主が港湾当局であることで、SEZ工場荷主への特別な顧客サービスも開始している。
 さらに、製造業にとって命綱である電力供給も昨年来かなり安定化して来ており、その価格もまた一段と低減化に向かっており、これで従来の労働集約型産業に加え、電力多消費型装置産業の誘致が可能になる方向性もあり、今後のSPSEZへの入居セールスポイントにもなろう。

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服部 寛 (はっとり ひろし)

2006年5月、三井物産を早期退職後、プノンペン経済特区開発の仕事で、初めてカンボジア訪問。その後、2009年-2011年はJODC(現HIDA)専門家、2011-2013年3月まJICA専門家としてシアヌークビル港経済特区のマーケティング・企業誘致・運営指導業務に従事。2013年4月からは独立して、シアヌークビル港湾公社SEZ部長付顧問となり日系企業誘致アドバイザー兼同港経済特区進出コンサルタント[日本本社(株)パクト・コンサルティング&ツーリズム)代表取締役]として新たな日系企業進出支援業務に取り組んでいる。 週末には、大自然一杯の碧い大海原に乗り出し、爽やかな潮風に吹かれて、大好きなフィッシングとシュノーケリングを楽しみ、そして疲れた身体と心はスパで癒してまた仕事パワーを回復している。
E-mail: hattori183[アットマーク]yahoo.co.jp 携帯: 016-955-108

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