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カンボジアクロマーマガジン32号

心がざらつくクメールポップの世界

[取材・文] 小林 真之輔 [制作] 岡 克哉(クロマーマガジン編集部) [イラスト]小泉 寿

クメールポップが量産! 若者の流行語

クメールポップの歌詞は、若者文化にまで作用!これまで数多の流行語を生み出してきた。今日から君もドヤ顔で使うべし!

シアロムナッ(ハートを食べられちゃった)

 32-3-4

歌手: ソクン・テルユ / Sokun Therayu
曲名:彼が君のこと好きだったらなら / Klach Ke Min Ket Doch Oun

 

 「医者が、僕の目には問題があるって」「え?どうしたの!?」「だって、僕の目には君しか見えないんだもの」「…シアロムナッ♥」。こんな背中が痒くなるやりとりから始まるこのチューン。

 シア(食べる) ロム(ハート) ナッ(とても) とは、キュンとしたことを言われたときに使う、「もうっ…♥」のようなニュアンスの言葉だ。しかしこのやりとり、「もうっ…♥」になるか?

 

キーキールー(犬の鳴き声/喘ぎ声)

32-3-5

歌手: ペル・ミー / Peak Mi など
曲名:これが俺だ / Knhom Jeng

 

もともとはクラブでDJが使った外国語音源の中に「キーキールー」(クメール語で犬の遠吠えの意)と聞こえる部分があり若者に浸透。そこから、犬の遠吠えはベッドの中での声に似ているということでジョークとして人気が爆発した。どこの国でも、下ネタは強い。

 

モヌフソムカン!(大切な人)

 32-3-6

歌手: ソクン・テルユ / Sokun Therayu
曲名:誠実さのない愛 / Ka Srolanh Del Oun Min Ach Smors Bong

 

彼女が急に無視してくるようになり、「モヌフソムカン(大切な人)!どうして冷たくするんだ!」と途方にくれる彼。恋人などに使う、英語のハニー・ダーリンのような表現だ。この曲は結局、彼の愛が本物かテストをしていたというビミョーなオチで終わる…。

 

おわりに

ストレンジなクメールポップの世界、興味を持って頂けただろうか。今日から動画サイトを辿り、ミュージックビデオを買い、更なるカオスの頂を目指してみてはどうだろう?

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