国際結婚手続きと出産
在留邦人の増加にともない、当地で結婚をするカップルが増えているが、カンボジア人との結婚手続きは複雑で難航必須。口コミなども頼りに進めていきたい。
Contents
- 国際結婚
- 妊娠と出産
- 育児
国際結婚
近年、国際結婚において様々な問題が発生し、カンボジア人と外国人との結婚が認められないという事態が発生した。現在は許可が下りるようになったが、男性(外国人)側は制限つきとなり、手続きも以前とくらべて複雑になった。
ここではカンボジアにおいて、日本人とカンボジア人がカンボジアの方式で婚姻する方法を紹介する。主な流れとしては、カンボジアの手続きを終えてから、日本大使館(または本邦の役所)に婚姻届を提出する形となる。なお、カンボジア人の婚姻可能な年齢は、男性20歳、女性18歳。
補足だが、カンボジア側の手続きには様々なグレーゾーンが存在し、スムーズに運ばないのが現状。そのため、カンボジア側の手続きを割愛し、日本側の手続きのみをするカップルも多い。
日本人とカンボジア人との婚姻方法
1.まず、カンボジア外務省法務領事局(Legal & Consular Department, Ministry of Foreign Affairs and International Cooperation)に、以下の書類を提出する。
日本人が用意する書類
- 婚姻許可申請書
法務領事局より入手する
- パスポートの顔写真ページ及び有効な査証ページのコピー
各1枚ずつ
- 独身証明書
日本大使館にて発行、戸籍謄本と手数料が必要となる
- 健康診断書
カンボジア保健省が認可した当地の医療機関発行のもの
- 警察証明書
日本大使館で申請できるが、およそ2カ月を要する。但し、カンボジアの滞在が5年以上の長期にわたる場合は、日本の警察証明書ではなく、カンボジアの警察証明書を要求される場合がある。
- 在職証明書とその英訳
在職証明書所は所得額も明記されたものが必要
- 日本大使館発行のレター
日本大使館にて作成されたもの
カンボジア人が用意する書類
- 出生証明書
地元の行政区が発行する
- 独身証明書
地元の行政区が発行する
- 健康診断書
カンボジア国保健省が認可した医療機関で受診したもの
- 家族登録書
2.カンボジア外務省が5平日以内に書類の審査を行うことになっており、審査が終わった書類は申請者に返却される。
3.カンボジア内務省が5平日以内に書類の審査を行うことになっており、審査が終わった書類は申請者に返却される。
4.内務省より返却された書類を持ち、カンボジア人が居住する地元の行政区にて婚姻許可を申請する。行政区の登記官が3平日以内に申請の審査を行うことになっている。申請書類及びその内容に問題がなく、それから10日間の公告(貼り出し)の後、二人の婚姻に疑義申し立てがなければ、婚姻が許可されることになっている。
5.地元の行政区から婚姻証明書を取得し、婚姻成立日より3カ月以内に、次の書類を用意して、日本国大使館または本邦の市町村役場に婚姻届を提出する。 大使館に提出する場合に必要な書類は次のとおりである。(但し、現在の本籍地と異なる場所に本籍地を移動する場合は、各3通となる)。
カンボジア人が用意する書類
- 婚姻届 2通
- 日本人の戸籍謄本 2通
- 婚姻証明書 2通
- 婚姻証明書の和訳文 2通
- 相手の国籍を証明する文書 2通
パスポートまたはカンボジア人ID
- 相手の国籍を証明する文書の和訳文 2通
妊娠と出産
カンボジアの医療レベルは十分でないため、日本はじめ先進国での分娩が望ましい。カンボジアでの出産を選択するとしたら、外国人が利用する医療設備の整った総合病院か、ローカル向けの産婦人科病院のどちらかとなる。外国人向け総合病院で分娩を受け付けている病院は、今のところプノンペンのみ。妊婦健診のできる病院は複数あるが、内容は簡易的である場合が多い。
出産のみ日本でする場合は、妊娠中に一時帰国して日本での受け入れ産院を決めておきたい。
出産を受け入れている病院例
ロイヤルラタナック病院(プノンペン)
医療設備の整った総合病院・ロイヤルラタナック病院では妊婦の出産を受け入れている。タイのバンコク病院、シェムリアップのロイヤルアンコール病院と同系列で、日本人を含む外国人の出産実績あり。
- 妊婦健診
- 健診は初期から8カ月程度は月1回、それ以降は10日に1回。健診内容は血液検査、エコー検査、料金は検査内容により異なる。診察費は在住外国人初回50US$、2回目以降25US$。(サービス費別途)
- 産婦人科医
- 現在、常勤産婦人科専門医が3名、非常勤産婦人科専門医が1名。常勤はタイ人医師(男性、女性)2名、ミャンマー人医師(女性)1名。非常勤はカンボジア人医師(女性)。担当医の指名もできるが、分娩時に不在の場合は他の医師が引き継ぐ。
- 入院
- 分娩スタイルは自然分娩、帝王切開。自然分娩の場合は立会い出産も可能。
- 分娩
- 自然分娩2泊3日、帝王切開3泊4日。出産後は母子同室(個室)で、看護師による母乳指導、沐浴指導もあり。また、退院前にはビタミンKの投与、BCG、B型肝炎の予防接種がある。
- 費用
- パッケージ料金(2013年12月31日現在)
自然分娩:2泊3日1,200US$
帝王切開:3泊4日1,800US$
- 備考
- 出産対象は当院で健診を受けていて(最低4~5回)、妊娠37週程度の健康な妊婦。(妊娠高血圧症、前置胎盤、早産等の合併症が伴う案件は受け付けていない)
住所:No.11, St.592, Boeung Kak2, Phnom Penh
電話番号:023-991000
妊婦健診ができる病院例
- プノンペン
-
インターナショナルSOSクリニック
カンボジア人婦人科医(女性)による基本的な妊婦健診が受けられる。血液検査、心拍、超音波等。日本人常駐。
URL:https://www.internationalsos.com/en/
住所:#161, Street 51, Phnom Penh
電話番号:023-216-911
- シェムリアップ
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ロイヤルアンコールインターナショナル病院
外国人向けの総合病院。プノンペンのロイヤルラタナック病院と同系列で、月2回、タイ人産婦人科医が訪れ健診をしている。内容、料金は初診80US$、2回目以降は50US$。日本人スタッフ常勤。
URL:http://www.royalangkorhospital.com/en/default.asp
住所:National Road No 6, Siem Reap
電話番号:063-761888 / 012-235888RHAC
NGO系のクリニック。血液検査、尿検査、超音波、心音、問診、内診など。言語はクメール語または簡単な英語。
URL:http://www.rhac.org.kh/
住所:Trapeang Ses Village, Kork Chork Commune, Siem Reap
電話番号:063 -964-960
育児
カンボジアの育児でもっとも気をつけたいのは病気と怪我。デング熱など熱帯ならではの病気はもちろん、家の中での転倒や誤飲など心配なことは多い。日頃から子供の環境や体調に気を配り、かかりつけ医を探しておきたい。また言葉の壁があり情報の入手も困難な海外生活では、在住者の口コミが重要な情報源となる。病院や学校、子供用品の購入先、遊び場などの情報は、在住ママネットワークを活用するといいだろう。異国での子育ては勝手がわからず孤独感を抱きやすい。適度に息抜きをしながら、ゆったりとした気持ちで子育てをしてほしい。
予防接種
カンボジアでも乳幼児の予防接種が受けられる。ただし接種時期や回数、内容などが若干日本と違うため、日本とカンボジア両方で受ける場合は、注意が必要。接種できる場所は、総合病院、小児病院、ヘルスセンターなど。
ベビーシッター
カンボジア人のベビーシッターを雇っている在住外国人家庭は多い。探し方は大家や同僚の紹介などが主流だ。月給の相場は地域や仕事内容、拘束時間にもよるが、60~130US$程度が相場。まずは来て子供の世話をしてもらい、大丈夫そうなら雇うのがベター。試用期間を設けてもよい。雇い主がいない時も、子供をちゃんと見ているか、暴力をふるっていないか等チェックすること。
文化の違いから驚くようなこともあるが、根気よく言い聞かせてトレーニングしよう。怒鳴る、手を挙げる等は厳禁。シッターとしてふさわしくない場合は、別の人を探すことも視野にいれよう。