まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

　今回ご紹介するリム・クンティアとエム・バンディットが当スクールに通い始めたのは高校卒業後でした。子どもの時から美術を学びたいと希求していたようですが、彼らの子ども時代は美術を学びたくても学べるところがなく、いつか、いつかと、叶わぬ夢を胸に抱えて子ども時代を過ごしたようです。

　美術表現を学びたいと願う自国の子ども達の知的好奇心を満たせるよう、教師として、子ども達への授業に熱心に取り組み、子どもたちの創造の世界を広げております。

　2008年のスクール開校以来、カンボジアの多くの子ども達に接して来ましたが、カンボジアの子ども達は、美術に限らず、その他の分野においても、
私たちが生きる世界の成り立ちを知る機会が少ないように思えます。多くの子ども達の知的欲求を満足させられる日が来ることを願ってやみません。

笠原知子

題名「愛」

子どもの頃から絵を描くことが大好きでしたが、当時は絵を学べる場所も機会もありませんでした。そんな中、シェムリアップに無料の美術スクールができ、ついに絵を描きたいという長年の願いが叶いました。 2010年からこの小さな美術スクールで絵を学び始め、表現に関することをたくさん学びました。現在は美術講師として、子ども達に絵を描く楽しさや喜びを伝えています。 かつての私のように、絵を描きたいと願う多くの子ども達が、これからも絵を学び続ける機会を持てるよう、この美術スクールでの活動を大切に継続していきたいと思っています。

リム・クンティア

題名「希望」

幼い頃から絵を描くことが好きで、時間を見つけては常に自己流で描いていました。友人から日本人が無料の美術スクールが開校したことを聞きました。そして2013 年、念願叶ってそのスクールに通い始め、生徒として多様な画材や表現技法について学び、表現の世界を広げることができました。現在は、その学びを活かし、人物や豊かな自然を題材としながら、温かさや喜びを絵に込めています。これからも、このスクールの美術講師として、私がこれまで学んできた知識と表現方法の全てを、子ども達に伝え、彼らの創造性を育む手助けをしていきたいと強く願っています。

エム・バンディット