まだ見ぬカンボジアに出会う小旅行へ―現地発カルチャー&旅行情報誌「クロマーマガジン」

 

■カンボジアに初めてきたのはいつでしょうか？

２０００年１１月、水祭りの頃に一週間くらい訪問しました。すごい人出で圧倒されたのを思い出します。まだプノンペンに信号は一つくらいしかなかったような気がします。実際に住みだしたのは、２００４年４月からで、カンダール州タクマウに住んでいました。バサック川でアンコールビールを飲むのが最高でした。

 

■実際に住みだしたのはいつでしょうか？

キリスト教の布教活動がきっかけでしたが、小学生の時にカンボジアに頻繁に来ていた友人の影響もありました。ロングステイというつもりではなかったのですが、日本語教育に関わるうちに不足しているものも多くて教材等補充しているうちに年月が経過していて、カンボジアが心地よくなってしまった感じです。暑くて、仕事が終わった後のビールが美味し過ぎたり、ビールガールと恋に落ちたのも引き金になったと思われます。

 

■ロングステイをすることになったきっかけは？

もともとは農業用水、工業廃水に関わる浄化装置やスクリーン、無動力自動水量調整バルブを作るメーカにいたのでモノ作りや農業が好きなのはその影響です。食品会社、食品衛生にも関わったので学生がレストランを開いたり大学で料理を作ったりするとなんとなくそわそわします。日本では愛知県から多くの県に製品の据え付けや修理で出張しました。その後、静岡や神奈川にも住みました。

 

■カンボジアに来る前の仕事や生活は？

大分出身。16年会社員として働いた後、フリーランスで人材育成の仕事に進みました。単発の研修も多数行いましましたが、接客業・飲食店やグッズ(ジブリやレゴ)店の店長、スタッフ研修など長期に関わるスタイルでの仕事をメインにしていました。その中でお店の立ち上げや閉業などいろいろな経験をしました。来カン前２年ほどは老後の趣味と考え日本語教師の勉強を始めていました。日本での出会いや経験をまだ活かせるかもしれないという思いはカンボジアに来るきっかけにもなりました。

 

■カンボジアでの日々の生活について教えてください

大学や卒業生のいる会社で日本語教育をメインに生活が回っています。今の冬の時期から春にかけては多くの日本の大学が交流に訪れるのでその大学の専門性に合わせていろいろな場所を訪問したり、環境調査等を学生とお手伝いしたりします。こちらから日本の大学に交流にも行くので旅行に関してのいろいろな手続きやサポートもします。日本人会の主催する様々な行事やコンテストに参加協力することも楽しみです。日本の食文化に興味を持つ学生も多いので事務所は調理用具が揃ってしまい、いろいろな料理に挑戦しています。

時間があるときは自転車で旅をします。人々と出会い地元の話を聞いたり、植物や人々、黄昏写真を撮るのが趣味です。

 

■カンボジアでの活動は？

大学の日本語教育に関連する奨学金に関すること、同僚、卒業生のレストランの立ち上げをお手伝いしたり、レストランや事業をしたいという方に情報や学生を紹介したり、障碍者支援のNGOを学生と立ち上げ製品を輸出したり、日本人グループが実施しているシティークリーニング活動の物資購入でお手伝いしたり、大学の５S活動を展開したり、シアヌーク殿下の製作した映画を学生と翻訳したり、日本人のインターンシッププログラムをお手伝いしたり、短歌の先生と世界短歌大会を開いたり、ミュージシャンの方とコンサートを開いたり、技能実習生の新しい模範的システムを構築したり、タッチフットの普及を模索したりいろいろあります。

 

■1カ月の大まかな生活費は？

住居費は大学が無料で提供してくれています。朝はほとんど食べないので無料、昼は大抵５０００リエルの豚ご飯か６０００リエルの焼きそば、夜は思いっきりビールを飲んで女給さんと話すので昼の10倍前後でエンゲル係数はやたら高くなります。それが何よりの楽しみというわけです。

■ロングステイをしてみたいと思う人に向けてのメッセージ

カンボジアも良いことばかりでなく、デング熱等に感染すると相当体力を消耗します。泥棒も多いので私はスマホを４台盗られました。それで怒りっぽくなく環境や人に失望しない精神態度を持っていると仕事や楽しいことに打ち込めるかと思われます。カンボジアの人々は日本人とは相性が良いと思います。恋人を見つけてみたり、ビジネスを一緒に作るも良し、カンボジアから学ぶこともきっと多いと思います。そう思えてきたらロングステイの落とし穴に真っ逆さまの可能性があります。