ホーム 新マガジン記事 カンボジア経済ナビ: 【カンボジア経済ナビ】カンボジア経済 対外債務管理は優秀 債務の罠も回避

カンボジアクロマーマガジンPP15号

 新型コロナ対策や世界的インフレで多額の財政支出を余儀なくされ、経済状況も悪化する中で、対外債務に苦しむ途上国も見られます。既に、スリランカが破たんし、パキスタンやラオス等も厳しい状況です。

しかし、カンボジアは、債務の過半が日本や世界銀行・アジア開発銀行からの譲許的借款であることに加え、債務マネジメントをしっかり行ってきたため、対外債務については概ね問題なく、急激な為替レートの変動や外貨危機の可能性も低いと言えます。世界銀行・国際通貨基金の判定でも「低リスク国(青信号国)」に分類されています。

2025年6月末の公的対外債務残高は、125億3940万ドル(約1兆8433億円)と2024年12月末から5.1%の増加となっています。国別では、中国が最大で40億7779万ドル(全体の32.5%)、以下、アジア開発銀行(21.1%)、世界銀行(14.5%)、日本(11.2%)、韓国(6.0%)等となっています。

債務持続性分析を見てみると、2025年末予測で公的対外債務の現在価値の対GDP比率は18.4%(基準値40%)、同対輸出比率26.4%(同180%)、債務返済比率(債務返済の対輸出比率)1.9%(同15%)、債務返済の対歳入比率8.8%(同18%)と、いずれも健全とされる基準値を大きく下回っており、対外債務については、カンボジアは大変な優等生ということができます。

2024年~2025年上半期に、中国はカンボジアに新規借款を供与していない模様で、残高に占める割合も低下傾向にあります。いわゆる「債務の罠」に陥る可能性は現状では低いものの、特定国に偏り過ぎないようにバランスを取りつつ、引き続き公的債務を管理していくことが必要と見られます。

鈴木 博 CEO/チーフエコノミスト

カンボジア総合研究所(BRIC)
Business Research Institute for Cambodia

カンボジアの発展と日本企業のWin-Win関係の構築を目指して、経済関係調査、情報発信等を行っています。

Web: https://cambodiasoken.hatenablog.com/

『カンボジア経済』 BLOG: https://economistphnompenh.hatenadiary.com/


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