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カンボジアクロマーマガジン30号

住んでみた、働いてみた「カンボジア」 プノンペンで働く日本人の本音トーク

[取材・文] 小林 真之輔 / 小見山 紗織 

カンボジアで生活して思うこと

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H.Tさん:カンボジア人、負の面もあるけれど良い部分もすごくあって、見習わなければならないものがあるなと思うんです。日本は経済が発展してすごく豊かになったけれど、心の豊かさは失ってしまったよね。日本が失ってしまったものがここにあるような気がする。これは大切にしなくちゃいけないと思う。
I.Yさん:私も最初は物があふれる日本にくたびれて、何もないこのカンボジアに飛び込んできました。遠くから日本をながめると、日本は良い国なんだと気づくけれども、ココは日本に居るよりはストレスが少ない。子供達も日本だとみんな同じじゃなきゃいけないっていう風習があるけど、こっちならそれぞれ個性を認められる。私日本だったらたぶん子育てできない、疲れちゃう(笑)。
F.Tさん:日本人はもっと色々な価値観があっていいと思う。これまで先進国の価値観ばかり見ていた自分の方法が、ココでは全く通用しなかったんだよ。
I.Yさん:わかるわかる!
F.Tさん:でもこういう社会もあったんだっていうのを、見られて良かった。1億2000万人の日本人のなかでも、割と早く東南アジアを経験できてよかった。20代前半でココに来ている人なんて、もっとうらやましいなと思うよ。この国って情報発信していないから実際に来ないと何もわからないじゃないですか。
H.Tさん:一つありまして、僕はココに来て、若くて無茶している子達と対等な目線で頑張れるのがいいなと思った。これがもし日本なら、やれ年齢だの肩書きだのとかで同じ目線では話ができませんよね。ここなら、同じ1年生同士対等に話ができる。逆に若い子のほうが先輩だったりもするわけ。それが刺激になったなと思います。日本にいる若い子も、こっちにくれば自由になれるよね。
S.Yさん:私もココに来て、自分の好きなことが自分の思うようにできる場所だなと思いました。あと、学生の本来のあるべき姿をカンボジア人から学びました。みんな生活がかかっているから必死に勉強するんです。日本の大学生にはない意識だなと思いました。ボロボロになった辞書を抱えて学生が勉強している姿を見ると、学生ってこういうものなんだって認識させられるんです。
I.Yさん:カンボジア人でも色々な人がいてね。一緒に仕事をするレベルとしては日本人より下なんだけれど、でも気持ちが優しい人が結構いて、何かあったときに助けてくれる。思い返してみると、お金とか仕事とか地位とか関係なく、まわりの人に助けられた事がたくさんある。
H.Hさん:確かに。僕も雨が降ったときに大家さんが近くのトゥクトゥク呼んでくれたりした。
I.Yさん:後から思い返すとね、あの時助けてもらったからここに居るんだって思うんです。向こうは何気なくやってくれた事だと思うんだけれどね。仕事で怒ってもカンボジア人ってころっと忘れてくれる。日本人のほうが気にし屋さん。日本人は恩の貸し借りが気になっちゃうところがあるけれど、そういう意味でもココはいやすいかもね。

取材班より

びっくりしたり、イライラさせられたり、チャーミングだなと思ったり…。生活してみて、カンボジア人に思うところは様々だと思います。良い面だけ拾って「カンボジア最高!」と言うのは簡単ですが、それでは上辺だけの付き合いなのかもしれません。在住者ひとりひとり、縁あって来たカンボジア。上手にツッコミを入れながら、たまに愚痴でも言いながら、今年もカンボジア生活楽しみましょう!

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